すぐにあきらめないで―よく考えて失敗を | レティシア・ガスカ
私たちは創意を生かして成功した勇敢な起業家を称えますが、失敗した人はどうなるのでしょう?彼らは失敗を恥じて、その経験を隠し、貴重な成長の機会を失うのです。これは作家で起業家のレティシア・ガスカの言葉です。このトークでガスカは起業家に、自分の失敗談を人々と分かち合い、「すぐにあきらめる」のではなく「よく考えて失敗する」ことを推奨します。
私たちは創意を生かして成功した勇敢な起業家を称えますが、失敗した人はどうなるのでしょう?彼らは失敗を恥じて、その経験を隠し、貴重な成長の機会を失うのです。これは作家で起業家のレティシア・ガスカの言葉です。このトークでガスカは起業家に、自分の失敗談を人々と分かち合い、「すぐにあきらめる」のではなく「よく考えて失敗する」ことを推奨します。
こんな職場を想像してみてください。すべての肌の色・人種の人が、出世階段の全ての段を上ることのできる職場。そして、多様性について職場で学んだ事が、職場外での我々の行動、思考、そして言葉に実際に影響を与える職場。どうすればそんな職場が作れるでしょうか。ジャネット・ストーヴァルはこの率直なトークで、人々が安心感を持ち、同化していないありのままの自分になることを期待される職場づくりに関する、3部からなる行動計画について語ります。
ほとんどの場合、運は落雷のような例外的で劇的なものではありません。どちらかというと、常に吹いている風のようなものです。運気をもっと取り込むのは難しくはありませんが、分かりにくいものです。この洞察力にあふれたトークでは、スタンフォード大学工学部教授であるティナ・シーリグが、運が良くなり、チャンスを見付けて掴み取る力を高められる意外な3つの方法を教えてくれます。
今こそ従業員が難しい会話を交わす力を身に付けるための対面でのトレーニングに投資する時です、とタミキア・ミズレイディ・スミスは言います。軽妙で刺激的なトークで、スミスは思いやりと敬意をもって会話することを管理職や従業員たちに勧める“I’m G.R.A.C.E.D.” という職場における教育プログラムについて語ります。要点は、彼らの仕事がなぜ大切なのかを常に知ってもらうことです。
「中国のインターネットは驚異的なペースで成長し、今では米国、英国、ロシア、ドイツ、フランス、カナダの人口を合わせたよりも多くのインターネットユーザーが中国にはいます。 不都合な点はあっても、かつてなおざりにされていた人たちの生活が不可逆的に改善しています」とサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙のCEOゲーリー・リューは語ります。 魅力的なトークの中で、リューはAIで最適化された列車旅行のような革新的なものから、国民に賞罰を与える社会的信用格付けシステムのようなディストピア的なものまで、中国のハイテク産業がどのように発展したかを詳しく説明します。
ネットフリックスはエンターテイメントの世界を変えてきました。最初は郵送のDVDレンタル、それからストリーミングメディア、その次は『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』や『ストレンジャー・シングス』などのセンセーショナルなオリジナル番組へと。しかしいつも相応のリスクを取ってきたのです。 TEDキュレーターのクリス・アンダーソンとの対話で、ネットフリックスの共同創業者でCEOのリード・ヘイスティングスが、会社の思い切った社風やレコメンデーション機能を支える強力なアルゴリズム、今年の80億ドル規模のコンテンツへの投資、それから彼の革新的な教育支援への慈善事業などを語ります。
私たちのリーダーや組織が期待を裏切っていますが、それは必ずしも無能さや不正のためではないと、ベンチャー投資家のジョン・ドーアは言います。時にそれは、単に間違った目標のためなのだと。この実践的な講演では、GoogleやIntelやボノがその大いなる目標の設定と遂行に使っている「目標と主要成果」(OKR) という目標管理法によって、いかに正しい道を進めるかが示されています。適切な目標設定が成功と失敗を分けうること、OKRによってリーダーや自分自身に責任を持たせられることを知ってください。
ビジネススクールの教授であるエイミー・エドモンドソンは「チーミング」の研究をしています。チーミングとは前例のない緊急の、あるいは非日常的な問題を解決するために、(たいていは一時的に)人々が迅速に集まることです。エドモンドソンが、2010年にチリで地下800メートルに取り残された33名の鉱夫を見事に救出した事例といった即興的なチームワークの在り方を振り返りながら、他人同士の集まりを、速やかかつ的確に考えをまとめ、困難な課題に機敏に対応できるチームに変えるための要素を共有します。
最近、我々はデジタルツールの助けを借りて、乗物や家をはじめあらゆるものを共有しています。しかし作家であるロバート・ニューワースによると、シェアリングエコノミーは現代的でハイテクに見えるものの、何世紀も前からアフリカに存在しているのです。彼は地元で創出されるベンチャーキャピタルのような役目を果たす徒弟制度や、乏しい水を分配するシステムといった興味深い例を示し、もし我々がこれらのモデルを普及し、拡大させることができれば地域社会を下位層から繁栄させていく手助けになり得るだろうと語ります。
持続可能、普遍的に有益な経済とはどのようなものでしょう?それは「ドーナツのようなものだ」とオックスフォード大の経済学者ケイト・ラワースは語ります。この傑出した開眼させるようなトークで、彼女は人々にとって最低限必要なものが不足している国々を危機から救い出し、この地球の環境的な限界の範囲で、再生的、分配的な経済を作り上げる方法について説明します。
ジャーナリストで劇作家のドゥルー・フィルプは、2009年にデトロイトで廃屋を500ドルで購入しました。それに続く何年もかけて、建物の内部を掻き出し、部屋を埋め尽くしていた山のような量の廃棄物を撤去する間に、彼が学んだのは、家の修繕の方法だけではなく、コミュニティの確立の方法でした。こよなく愛する市に捧げたこのトークの中で、フィルプは「一歩踏み込んだ近所づきあい」について話し、私たちには「政府にやる気のないとき、自分たちだけで力を合わせて世界を新しく作り変える力」があるという信念について述べています。
「素晴らしいアイデアはどこから来るのか?」この問いを胸にヴィットリオ・ロレートが、新しいものの誕生を数学的に説明しようとする探求の旅へと誘います。現実と可能なことが交わる「隣接可能領域」と、それを統べる数学を研究することで、私たちが新しいアイデアをどう作り出すのか説明できることを学びましょう。
Global Fund for WomenのCEOとして、ムシンビ・カニョロは女性やそのアイディアが大きく成長できるよう支援しています。彼女は、マラゴリ族の「イシリカ」という、個人がお互いに世話する相互責任を取り入れた実用的な生き方を紹介し、これは世界中で女性が実践しているものだと言います。そして、多くを手にしている人に、よりよいコミュニティーを作ろうと働く人にもっと与えるよう呼びかけます。「イシリカを取り入れて、当たり前の行為にしたら、どうなるか想像してみて」とカニョロは言います。「お互いのために何が実現できるでしょう?人類のためには?」それでは一緒に見つけましょう。
実験心理学者のペター・ヨハンソンは、「選択盲」と呼ばれる、人は自分が好きなものを選んでいると自分に思い込ませているという現象を研究しています。この驚くような講演で彼が紹介するのは、「我々はなぜそうしているのか?」という疑問に答えるためマジシャンの協力のもと考案された実験で、自己認識の本質や、操作されたときに人はどう反応するかという点で大きな意味のある結果が得られています。あなたも自分で思っているほど自分のことが分かっていないのかもしれません。
ある日、タピワ・チウェウェがヨハネスブルグで運転していた時、大気汚染による巨大な雲を目にしました。彼は関心を持ち、心配になりましたが環境問題の専門家ではありませんでした。そこで調査をしてみると、2012年の世界全体における死亡原因のほぼ14%は室内空気汚染と大気汚染にあることが分かりました。この情報と、何かをしなければという気持ちから、チウェウェは協力者と共に、大気汚染の推移を明らかにして都市計画者の意思決定を支援するシステムを開発しました。「時には、たった1つの新鮮な見方や新しいスキルによって、素晴らしいことが起こる条件が整うことがあります。ただ、挑戦するには大胆さが必要なのです」とチウェウェは言います。
過去の経歴や大学での専攻に直接関連した仕事をする人は減っています。TEDレジデントのジェイソン・シェンの場合、生物学を学びましたが、今やテクノロジー企業でプロダクトマネージャーをしています。人の能力についてのこの短く冴えた講演で、彼は資格や肩書きではなく力を見ることで優れた人材を採用できるとする新しい考え方を示しています。
私たちは自分と似たような人の狭い集団にとらわれがちです。どのような習慣のためにそのような片隅にとらわれることになり、どうすればそれを打ち破れるのでしょうか? 組織心理学者のトーニャ・メノンが、自分の人間関係をどうすれば意識的に広げられるのか、それがどう新たなアイデアやチャンスに結び付くのかを考察します。
不公平さの何が問題なのか。友達の結婚式に招待されないことであれ、運が悪かった結果やうっかりミスで罰を受けることであれ、不公平な目に遭うと私たちはしばしば感情を乱されるあまりに冷静に物事を考えられなくなります。マルコ・アルベラに言わせれば、これは個人の問題にとどまらず、企業にとっても有害です。自身の会社での、公平さに価値を置く文化を作るための取り組みを紹介し、人が生まれ持つ、何が正しくて何が間違っているのかという感覚に呼びかけることで社員の幸福度も業績も向上する仕組みを解説します。
私たちは皆1つの地球を共有しています。同じ空気を吸い、同じ水を飲み、同じ海や森や生物多様性に依存しています。経済の専門家である石井菜穂子は、グローバルコモンズとして知られるそういった人類の生存に不可欠な共有資源を保全するミッションに取り組んでいます。地球の健康についてのこの啓発的な講演で、石井はグローバルコモンズを守るために変える必要のある4つの経済的システムについて概観し、地球と結ぶべき新しい種類の社会契約の必要性を訴えています。
スウェーデンの人が歯を磨く様子や、ルワンダの人が寝るベッドの様子はどんな感じだと思いますか? みんなにそういったことを紹介しようと思い立ったアンナ・ロスリング・ロンランドは、写真家を50の国の264もの家庭に送り込み(その数はさらに増加中!)、調理台やベッド、トイレ、おもちゃなど、家にある様々な物を、世界中のそれぞれの収入帯の家庭について記録しました。ラトビアやブルキナファソやペルーに住む家族の生活の様子を見てみましょう。データを可視化することによって世界がいかに理解しやすくなるかを、ロスリング・ロンランドが示します。
新しいアイデアを考え出そうと頑張って行き詰まった経験は、みんなあるものです。しかし行動や学習を科学的に研究しているマリリー・オペッゾによると、立ち上がって散歩に出かけるだけで、あなたの創造性の流れが活発になるかもしれません。この楽しく早口なトークで彼女は、あなたが今度行うブレインストーミングから最大のアイデアを引き出すために、歩くことがいかに助けになるかを説明します。
ムンバイ、デリー、チェンナイ、カルカッタなど、インドの全ての主要都市には、ある重大な共通点があります。仕事を求めて来た人を喜んで受け入れるという点です。しかし、その寛容性の裏側には何があるでしょうか?残念なことに、推定1億人分の家が不足しており、現在そのような人々のほとんどはインフォーマルな居住地に暮らしています。ガウタム・バーン氏は、人々の住居の専門家で研究者であり、この問題の新しい解決策を思い描いています。彼が、全ての人が安全で頑丈な家に住むというインド都市部の新しいビジョンを話します。
コピー品の財布や偽物のデザイナー腕時計を買うと、どんな悪影響があるのでしょう? 偽造品捜査官のアラスター・グレイによると、このような偽造品の売り上げはテロや組織犯罪の資金源につながると言います。 総額が約3兆円にも上る偽造品販売の地下経済について、知識を深めましょう。犯罪組織の関与や生産過程に利用される児童労働、そして偽造品販売を食い止める対策方法までわかります。グレイが「ありふれた日常に潜む偽造品販売の闇に目を向けましょう」と語っています。
二ティ・バーンはアフリカの非公式市場の経済戦略を研究しています。対象は小商店、売店、熟練した工芸家、アフリカの経済を支える見えない原動力である労働者たちです。こういった労働者を税金逃れとか、犯罪者とさえ思いがちですが、この活力あふれる市場は合法であり投資の価値があることを二ティは証明します。非公式市場を認めれば、何千もの雇用を生み出せると彼女は言います。「これは事業や企業の活力を生む種なのです。彼らの技能や仕事を認めることから始めませんか?」
グレッチェン・カールソンが自身の経験した職場でのセクシュアルハラスメントについて口を開くと、それがインスピレーションとなり、世界中の女性たちが力を取り戻して、自分たちの経験を語り始めました。この素晴らしく力強いトークで、彼女は自分の経験を語るとともに、安全な職場を作るために3つのことができると話します。「私たち女性は、もはや過小評価されたり、脅かされたり、妨げられたりしないでしょう」と、カールソンは言います。「私たち女性は立ち上がり、声を上げ、世の中に轟かせるのです。私たちは女性として、あるべき姿になるのです」
マルグレーテ・ベステアーは欧州市場の競争力を保ちたいと考えています—それが彼女が欧州連合(EU)としてグーグル社に28億ドルの制裁金を科し、アップル社に153億ドルの追徴課税を課し、ガズプロムやフィアットなどの企業の反競争的行為について捜査した理由です。 世界規模のビジネスの現状について、何故市場に明白なルールが必要なのか、そしていかに最も革新的な企業ですら独占的になってしまった時には問題となるのかを説明します。 「本当の公正な競争は社会の最善の在り方を達成する為の信頼を築く重要な役割をします」「それは我々の競争法の遵守から始まるのです」
「自分を再発見するのに遅すぎることはない」 ポール・トラズナーはそう言います。彼は 40年間会社で働いた後、経験と情熱に仕事へのアイデアを組み合わせて、66歳で会社を立ち上げました。でも、トラズナーは1人ではありません。このユーモラスで意欲を高める短いトークで、起業家魂に火がついた高齢者が増えて、大きな成功を手にしていることを話します。
ロボットに仕事を奪われるという話をよく耳にしますが、私たちはどうすれば良いのでしょうか? イノベーションを専門とするデイビッド・リーは、ロボット時代にも通用するよう、仕事を自らに秘められた才能や情熱を解き放てるもの――週末の私たちがそうしているように――に作り直し始めるべきだと説きます。リーは「どんな問題を心から解決したいと願うのか、どんな才能を仕事に生かしたいのか問い始めるべきだ」と言い、「今以上のことをするよう促せば、人は驚くほどのことができるようになる」と語ります。
チカ・エザーニャ=エシオブはアフリカの人々が、伝統的で由緒正しいアフリカの知識に高い価値を認めることによって、それまで抑圧されてきた創造的かつ革新的なエネルギーを解き放つところを目にしたいと願っています。この力強いトークで、彼女は農業や政策決定において活用されていないアフリカ土着の知識の例を示し、アフリカの人たちが自分たちの現実に正当性を与え、尊厳をつけることで進歩すべきなのだと訴えます。
アメリカなどでは貴重な製造業の仕事が中国、メキシコ、ベトナムといった労働コストの低い国に奪われており、保護貿易政策を今進めなければならないと、もっともらしく語られるのをよく耳にします。しかし、それらの仕事が失われた理由は、あなたの想像とは違うかもしれないと、ロジスティクス専門家のオーギー・ピカードは言います。ピカードは、国際貿易の実情を紹介し、生産分業と開かれた国境が、高品質で低価格な商品の製造にどう役立つかを説明します。