今回のシリーズは「美学」。「美しい」とは何なのかを考える哲学の一種です。本シリーズでは、井奥陽子さんの『近代美学入門(ちくま新書)』をもとに「アート」や「美術」という概念の変遷を追っていきます。 「なぜこれがアートなの?」その疑問に答えたい/「美しい」という概念は歴史の中で変化してきた/スタートは古代ギリシア・ローマ時代/美術の歴史は西洋社会に引っ張られている/アートとは学芸(人の間で教えられる技術)だった/詩・絵画・演劇・音楽はもちろん、狩猟術・農業技術・料理術・医学もアートだった/ミメーシス(模倣の技術)/精神を使う「自由なアート」と、体を使う「機械的なアート」/ふたつのアートの間にあったヒエラルキー/現代と古代では「アート」の捉え方が大きく違った/「芸術家」という概念は18世紀に入るまで現れなかった ▼今回紹介した『近代美学入門(ちくま新書)』はこちら https://amzn.asia/d/6U1l0Lh ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジン...
Apr 29, 2024•28 min•Season 35Ep. 1
もう一週だけ漫画・アニメ回が続きます。今回は染谷さんが好きなアニメ「おさるのジョージ」と子育てについて話します。 実はニューヨーク在住のジョージ/舞台設定がよくできている/自身の育児経験と照らし合わせてジョージを見ると……/ジョージを絶対に怒らない黄色い帽子のおじさん/4歳児の頭脳とトップアスリートの身体能力/言葉を喋れないから意図を想像するしかない/もっともらしいことは言えるけど、人は自分の意図を全て説明できない/ドラえもんとは明確に違うキャストの構造/子供は意外と世界の法則を理解している/個々人が独自のルールで動いている/などなど ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音読さん ▼染谷昌宏のデザインプロダクト「sugata」 https://www.someya-shouten.jp/ ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!...
Apr 22, 2024•55 min•Season 34Ep. 1
興が乗ってしまったため、前回に引き続き続・漫画回です。 今回お話しするのは、漫画と身体感覚について。〆太郎がずっと抱えていた漫画に対する違和感を、「ダンジョン飯」にからめて話します。 漫画の刃物切れすぎ問題/無粋だとはわかっていても、実際そんなに切れないよ/彫刻学科で体験した素材の重さと抵抗感/1mのノコギリで、一日中丸太を切る実習/漫画は記号でできている?/漫画はデータが圧縮されてるから面白い 「ダンジョン飯」は身体感覚が刺激される/ダンジョンでモンスターを狩って食べていく/腹も減るし、消化もされる、けっこうシビアな世界観/モンスターの臭いや肉を切る抵抗感が感じられる作品/スライムの干物が食べたい ファンタジー世界ではいつご飯を食べるんだろう?/魔法で全部解決してる?/「ダンジョン飯」を見ながら野食系YouTuberを楽しむ/この魚やこの野草はどんな味がするんだろう?/ベニテングダケの味を確かめる人々(特殊な訓練をつんでいます)/体験と作品がリンクするから心に響く/多くの人は魔王を倒さない ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://fo...
Apr 15, 2024•41 min•Season 33Ep. 1
絵巻物の鳥獣戯画などのように、昔から日本人は、時系列に沿って展開される物語を楽しんできました。 ゆえに、漫画・アニメ・ゲームの一部の作品は、美術の系譜に連なっているのではないか。アートのミームのふたりはそんなことを考えています。 そこで今回は解釈を広げて、パーソナリティのふたりが好きな漫画やアニメの作品について話してみました。 ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音読さん ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!
Apr 08, 2024•50 min•Season 32Ep. 1
名画はなぜ名画と評されているのか?その理由を探り、絵を見る技術を体型的に学ぶために、書籍『絵を見る技術(秋田麻早子 著)』を読みました。今回はその中から、導入部分を紹介します。 絵を見る技術は学べるんです/絵を見る技術って学校で習った記憶がないですよね?/絵画を鑑賞するコツは、ビジュアルリテラシーから学べる/センスは学習できるもの/そこで紹介したいのが『絵を見る技術』 鑑賞力の型を学ぼう/6つの章立て/主役となるフォーカルポイント/主役に視線を誘導するリーディングライン/バランスがいい構図とは?/色使いは絵の印象をどう左右するのか?/絵画は論理的に構築されている/名画は情報の塊/何をどこにどう配置するかで、絵の見え方がガラリと変わる/名画の多くはロジカルに描かれていた 書籍の導入部分を簡単に紹介/フォーカルポイントは人が自然に目を向けてしまうもの/視線を誘導するためにリーディングラインを意図的に配置していた/典型的な5つのフォーカルポイント/画家は何を描きたかったのか?主題を読み解く ダヴィンチの「最後の晩餐」から読み解くフォーカルポイントとリーディングライン/ヒントは明暗とパース、登...
Apr 01, 2024•32 min•Season 31Ep. 1
絵や文章や作品など、何かを制作(創作)していると止め時がわからなくなることがあります。 手を入れすぎて、「手を入れる前の方がよかったな」と思うこともしばしばあります。時間と労力をかければ、必ずしも良い作品になるわけじゃない。この問題にどう向き合っているのか? 〆と染がトークしてみました。 ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音声さん ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!
Mar 25, 2024•25 min•Season 30Ep. 1
ポットキャストの音声を地図上に設置できるアプリ「 RoadVoice 」のスポンサードで作成したエピソードです。 今回は上野周辺の美術館や博物館のなかから、「東京国立博物館」の常設展を紹介します。 【PR】 sponsored by: RoadVoice ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音声さん ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!...
Mar 23, 2024•7 min•Season 32Ep. 1
ポットキャストの音声を地図上に設置できるアプリ「 RoadVoice 」のスポンサードで作成したエピソードです。 今回は上野周辺の美術館や博物館のなかから、「国立西洋美術館」の常設展を紹介します。 【PR】 sponsored by: RoadVoice ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音声さん ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!...
Mar 23, 2024•7 min•Season 31Ep. 1
ポットキャストの音声を地図上に設置できるアプリ「 RoadVoice 」のスポンサードで作成したエピソードです。 今回は上野周辺の美術館や博物館のなかから、「藝大アートプラザ」を紹介します。 【PR】 sponsored by: RoadVoice ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音声さん ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!...
Mar 23, 2024•6 min•Season 30Ep. 1
今回は定番企画になってきた「なるほどプロダクト」の第3回目。熊本震災にちなんだお守りを紹介します。 はじめてお守りを買いました/ブルーシートでできた真っ青なお守り/表には、2度と落ちない「後来不落(こうらいふらく)」の文字/廃棄予定のブルーシートを回収・洗浄して再利用したプロダクト/袋の中には熊本城の瓦の破片入り/誰かに話したくなるストーリー/語り部がいれば、忘れられることはない/必ず実現すべきは「売れること」/BRIDGE KUMAMOTO ▼今回紹介した「熊本城瓦御守」はこちら ⇨ https://bridgekumamoto.com/project/kumamotocastleomamori/ ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音声さん ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください!...
Mar 18, 2024•23 min•Season 29Ep. 1
アートのミームは2024年3月で1周年を迎えました。 この1年で様々なテーマを話し合ってきましたが、今回は原点に立ち返って、第一回のテーマ「アートとデザインの違いってなに?」をバージョンアップしてみます。 この一年で〆太郎と染谷の価値観はどう変わったのか? いつも以上にゆるゆるとお送りします。 ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼Amazonのほしい物リスト(ご支援・サポートお待ちしています) ⇨ https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/7UGKPVNIBMTR?ref_=wl_share ▼ジングル音声: 音読さん ▼染谷昌宏のデザインプロダクト「sugata」 https://www.someya-shouten.jp/ ※美術ファンのゆるゆるトークですので、一部事実と異なる場合もあります。ご容赦ください...
Mar 11, 2024•1 hr 4 min•Season 28Ep. 1
美術館に行って周りを見ると、じっくり鑑賞される方やサクサク進む方など、さまざまな人がいます。 人によって鑑賞のペースは違いますが、気をつかうのが誰かと美術館に行く時。「本当はじっくり見たいけど待たせるのもよくないし......」「真剣に作品を見てるし、もう少し待った方がいいかな」など、相手のペースに遠慮してしまいます。 そこで今回は、誰かと美術館に行った時のペース配分について話してみました。 ONION RADIOのカワムラさんとオラファー・エリアソン展に行って来ました/自然法則に作品を作らせるアーティスト/「エリアソンはどこにいる?」という遊び 誰かと美術館に行く時はペースに配分迷いませんか?/人によって速度が違うので、気をつかう/なので、〆太郎はソロ活になりがち/美術館はそもそも一緒に過ごすハードルが高い?/空気の読みあいゲーム 染谷さん、娘さんと美術館に行く時、どうしてるんですか?/僕は子どものペースに合わせます/子どもにとっては、どう考えてもプリキュアの映画の方が楽しいじゃないですか/マティス展に行った時は、年表をつくって生涯を予習していった/「社会には正解がないんだよ」と教え...
Mar 04, 2024•32 min•Season 27Ep. 1
画商シリーズの5回目は、アートファンドの「ポー・ド・ルルス」を紹介します。 1900年代前半、投機目的で10年かけて美術作品を買い集め、ピカソやマティスの初期作品も扱った13人の投資家がいました。果たして彼らの目論見は成功したのでしょうか? 熊の皮(とらぬ狸の皮算用)の意味を持つ「ポー・ド・ルルス」/活動した期間は1904年〜1914年の10年間/中心人物は海運業を営む実業家、アンドレ・ルヴェル/ゴーギャンやゴッホ、キャリア前期のピカソやマティスなど、145点を蒐集/1914年3月のオークションでコレクションは買値の3倍で売れた/売上から経費を引いた利益の20%を作家に還元した/利益の還元は当時でも画期的な出来事だった/「モダンアートは値上がりする(作品もある)」と印象付けたポー・ド・ルルス 画商編はいったんおしまい/経済と美術は結びつくもの/どの画商が欠けていても、近現代の名画は生まれなかったかもしれない/漫才にたとえるとボケとツッコミ/実用性がない商品の価値をプロデュースしてきた存在/サブカルチャーそのものを立ち上げたかもしれない/西洋美術史以外にも美術の歴史がある ▼お便り・アン...
Feb 26, 2024•34 min•Season 26Ep. 5
画商シリーズの4回目は、キュビスムの画商「ダニエル=アンリ・カーンワイラー」を紹介します。 ユダヤ系ドイツ人の家庭に生まれたカーンワイラー/金融業を営む裕福な家系/叔父の影響で美術の道へ/貧乏長屋時代のピカソと交友し、「アヴィニオンの娘たち」をはじめて評価した画商 厳格で禁欲的な人物だった/微笑みは好きだったが、ふざけた笑いは嫌いだった/画廊に花を飾らせない/ピカソとブラックの支援者 第一次大戦と第二次大戦で運命を翻弄される/WWⅠで800点の絵を没収された/後ろ盾がなくなり、キュビスムの画家は困窮した/キュビスム=敵国の絵画だった/ピカソのスタイルを変えたWWⅠとカーンワイラーの離脱 画商の領分は「仲介者」であること/画商とは「画家の道から障害をとりのぞき、経済的な不安を味わなくてすむように助ける仕事である」/彼は殉教者だったのではないか?/次回はアートファンドのポー・ド・ルルス ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/tVTAUjro49aaMva99 ▼ジングル音声: 音声さん 【参考図書...
Feb 19, 2024•37 min•Season 26Ep. 4
画商シリーズの3回目はセザンヌを見出した画商、アンブロワーズ・ヴォラールを紹介します。 デュラン=リュエルの次の世代/フランスで活躍/21歳の時に法律を学ぶためにフランスに留学/好きが講じて、画廊を開く/セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ルオーなどを扱う/前衛美術が受け入れられやすい時代だった/セザンヌ生涯最後の10年間で、3分の1位の作品がヴォラールの手を通っていった/セザンヌの泥臭さがピカソやマティスに影響を与えた 「どこがいいのか全くわからない」、キュビスムには興味を示さないヴォラール/巨漢で、声はバリトン、用心深いクマのようだった/作品が乱雑に置かれていた画廊/後年には出版活動に集中/一方で、作品の改ざんや買いたたきもしていた/自身を画商ではなく、表現者だと思っていたのかもしれない/次回はキュビスムの画商、カーンワイラー ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/v5xSyPoTkGGkKf1Q9 ▼ジングル音声: 音声さん 【参考図書】 ・画商が読み解く 西洋アートのビジネス史(ディスカヴァ...
Feb 12, 2024•37 min•Season 26Ep. 3
画商シリーズの2本目で取り上げるのは「印象派の画商」ポール・デュラン=リュエルです。 1800年代後半に活躍し、モネやルノワールなどを扱ったデュラン=リュエルは、近代アートビジネスの礎を築いた人物。もしかしたら、西洋美術の歴史を変えてしまったかもしれない、彼の活躍を紹介します。 父の代からの、画材屋兼画商の家/絵の具代の代わりに絵を置いていく画家もいた/レンタルや修復を担う店もあった/ドラクロア・クールベ・ミレー、売れるものはみんな売ったデュラン=リュエル 印象派への支援は先行投資だった/15年経ってもまだ売れない!破産しかけたデュラン=リュエル/彼の手法は何が画期的だったのか?/絵をまとめて買い取る/ 展示方法を工夫して付加価値をつけた/ロココで金縁、豪華な装飾はデュラン=リュエルの演出/オークションにサクラを紛れ込ませる/雑誌やカタログを刊行/新天地アメリカで展覧会を開催/ビジネスの王道を歩んだ画商 ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/v5xSyPoTkGGkKf1Q9 ▼ジングル音声: 音声...
Jan 29, 2024•39 min•Season 26Ep. 2
今回から「画商」のシリーズに入ります。古来から美術品は商いの対象にされ、職人や芸術家たちの生活の糧になっていました。この流通を担ってきた画商はどのように商売をしてきたのでしょうか? このシリーズでは、美術の売り買いの歴史や近代の画商を紹介します。 ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/v5xSyPoTkGGkKf1Q9 ▼ジングル音声: 音声さん 【参考図書】 ・画商が読み解く 西洋アートのビジネス史(ディスカヴァー・トゥエンティワン、髙橋芳郎 著) ・ならず者たちのギャラリー 誰が「名画」をつくりだしたのか?(フィルムアート社、フィリップ・フック 著 中山ゆかり 翻訳) ・ビジネス戦略から読む美術史(新潮新書、西岡文彦 著) ※勝手気ままなゆるゆるトークですので一部事実と異なる場合があります。ご容赦ください!...
Jan 28, 2024•38 min•Season 26Ep. 1
2024年最初のテーマは、2024年に行きたい展覧会について、パーソナリティのふたりが今年行きたい展覧会をピックアップしました。 ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/v5xSyPoTkGGkKf1Q9 ▼ジングル音声: 音声さん ※勝手気ままなゆるゆるトークですので一部事実と異なる場合があります。ご容赦ください!
Jan 15, 2024•26 min•Season 25Ep. 1
2023年最後の更新ということで、今年の配信の振り返りをしてみました。総再生回数や現在のフォロワー数、よく聞かれたエピソードなどについて話しています。今年はたくさん聞いていただきありがとうございました! 2024年最初の更新は1月15日(月)です。それでは皆様、良いお年を! ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/v5xSyPoTkGGkKf1Q9 ▼ジングル音声: 音声さん ※勝手気ままなゆるゆるトークですので一部事実と異なる場合があります。ご容赦ください!
Dec 25, 2023•48 min•Season 24Ep. 1
東山魁夷≒サウナとは、これいかに。今回は緩めに緩めた話をします。 国立近代美術館のコレクション展に行きました/「〇〇を見よう!」と意気込まずに行ったら気持ちよく鑑賞できた/名前は知ってた「東山魁夷」がすごくよかった/作品名は「青響」/岩絵具の質感と色彩がすごく気持ちいい/ソファに座って眺めていたらととのった/実はサウナー/そもそも「ととのう」とは何か?/何も考えなくていい時間/東山魁夷を休憩室に飾りたい/東山魁夷VR+フレグランスが欲しい ▼お便り・アンケートフォームはこちら ⇨ https://forms.gle/v5xSyPoTkGGkKf1Q9 ▼ジングル音声: 音声さん ※勝手気ままなゆるゆるトークですので一部事実と異なる場合があります。ご容赦ください!
Dec 18, 2023•21 min•Season 23Ep. 1
美術やデザインの類は時にパクられることがあります。パクリは良くないことですが、SNSでは無関係な人たちまで巻き込んで炎上することがあります。誰かをよってたかって叩く様子を見ていると、なんだかモヤモヤしてしまう。そこで今回は、模倣とパクリの境界線について考えてみます。 ※勝手気ままなゆるゆるトークですので一部事実と異なる場合があります。ご容赦ください! パクリを擁護するトークではありません/パクられた著作者は報酬や職など様々なものを失ってしまうかもしれない/とはいえパクられやすい環境が整ってしまっている まずは言葉の定義から、模倣とパクリは何が違う?/模倣=学ぶことも含まれる、パクる=盗む/模倣は公共の利益になること?パクリは受け取る人が納得しないこと?/オマージュ、引用、リスペクト 美術の世界でも模倣は行われていた/画家の教育のために絵画の複製が行われていた/複製品だけがある美術館もあった/マネが真似したティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」/ティツィアーノが真似したジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」/模倣することで作品の格が上がった/ご本人のブランドを損なわないモノマネ 尾形光...
Dec 11, 2023•58 min•Season 22Ep. 1
既存のプロダクト(工業製品)に対して、なぜこういう形になっているのか?を染谷が考察するコーナー「なるほどプロダクト」の第2回です。 第2回に紹介するのは「本当の定規」。一見すると、ありふれた金属製の定規ですが、目盛りに工夫が施されていました。 これを聞き終えた時「あれ?家にあるアレは定規じゃなかった?」と思うかもしれない/一体いつからーー、定規で線を引いていたと錯覚していた?/遡ること紀元前、エジプトで使われた幾何学/ユークリッドが書いた数学の本「原論」/数学の定義上で、線には幅がない/同じく、点には面積がない/僕らが「線」と思っていたものは「面」だった/現実で線を引くと幅ができてしまう/「従来の定規」の目盛りには幅がある/コクヨデザインアワードを受賞した作品/白と黒の境目が目盛りになる/道具の精度が人間のパフォーマンスを変えていくはず/ものさしと定規は実は違う ▼紹介したコクヨの「本当の定規」 https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/true_measure/ https://www.g-mark.org/gallery/winners/9dd9...
Dec 04, 2023•32 min•Season 21Ep. 1
今回で日本美術史編は最終回です。大正時代から昭和、戦後まで、近代の日本美術史を紹介します。 ヨーロッパでフォーヴィスム・キュビスム・ダダイズムが生まれ、日本にも前衛美術が伝わった/美術がプロパガンダに利用された時代/たった14年間の大正時代/「麗子像」の岸田劉生/高村光太郎の「手」/萬鉄五郎の「もたれて立つ人」「裸体美人」/合計70点ほど描かれたおかっぱ頭の麗子ちゃん/僕らが知らないクラシカルな麗子像/劉生が目指した「でろり」と「卑近美」/「手」を真似すると手がつりそうになる/張りつめた緊張感と優美さ/最先端のスタイルを取り入れた萬鉄五郎/真似しているけどオリジナリティがある/コマーシャルアートや挿絵の需要が高まる/政治活動家や労働者を描いた「プロレタリア美術」 時代は昭和へ/ヨーロッパではシュールレアリスムが誕生/岡本太郎も渡欧/世界大恐慌をきっかけに第二次世界大戦が勃発/日本も太平洋戦争に突入/絵筆で国に奉仕する「彩管報国」/現代と当時では、戦争に対するイメージが違った/多くの画家が描いた戦争画/阿鼻叫喚のリアリティ、藤田嗣治の「アッツ島玉砕」/極限状況になった人間はこうなりうる/...
Nov 27, 2023•1 hr•Season 20Ep. 9
今週は明治時代の日本美術史です。 西洋文化が本格的に到来/食うか食われるかの帝国主義時代/洋画は産業推進に役立つ技術だった/シャケの人、高橋由一/豆腐も描いた、花魁も描いた/シャケは「こんなにリアルに描けますよ」というプレゼンテーションだった/外貨獲得のため、さまざまな工芸が輸出された 幕府がなくなり、狩野派が窮地に立たされる/工部美術学校で教えられた本格的な西洋画/国粋主義の悪影響/「西洋画」に対する「日本画」という概念 日本の絵=ダサいと思われていた時代だった?/日本美術を再評価したアーネスト・フェノロサと岡倉天心/お雇い外国人のかたわら、日本美術の研究に勤しむ/フェノロサの右腕になり、東京美術学校(後の東京藝大)の校長になった岡倉天心/狩野芳崖の「仁王捉鬼図(におうそっきず)」や「悲母観音像」/岡倉のもとで育った横山大観や菱田春草、下村観山/朦朧体と呼ばれた絵/菱田春草晩年の傑作「落葉図」 フランス帰りの西洋画家、黒田清輝の「湖畔」と「舞妓」/ヤニ派と紫派/日本では新しかったが、西洋では古い様式だった/西洋画・日本画・工芸・彫刻、現代日本の美大につながる学科が出揃う/明治期に、美...
Nov 20, 2023•1 hr 5 min•Season 20Ep. 8
今週は江戸時代後期の日本美術史です。 町人文化が花開いた時代/絵師も百花繚乱/写生画の円山応挙/あえて絵を現実に寄せていなかった/応挙は三次元を二次元に落とし込みたかった?/描くの大好き若冲さん/10年を費やして描いた「動植綵絵(どうしょくさいえ)」/応挙も若冲も狩野派に学んでいた 浮世絵の技術が大きく進展/写楽・歌麿・北斎・広重/くずし字を版に起こせる驚愕技術/「北斎漫画」と「「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」/描くの大好き北斎さん/版元・絵師・彫師・刷り師、協力体制で作られた浮世絵/江戸のメディア王・蔦屋重三郎 西洋の波が押し寄せる/西洋画に影響された絵師・狩野一信/全100幅、こってり系の「五百羅漢図」/輸入して消化して、を日本はずっと繰り返してきた/描くの大好き暁斎さん/放屁合戦から正統派な美人画まで、なんでも描ける河鍋暁斎/西洋に追いつけ追い越せ明治時代、美術の世界も大激変 【参考図書】 ・日本美術史 (美術出版ライブラリー、山下裕二・高岸輝 監修) ・教養の日本美術史(ミネルヴァ書房、古田亮 編著) ・ヘンな日本美術史(山口晃 著) ・もっと知りたい菱田春草 生涯と作...
Nov 18, 2023•47 min•Season 20Ep. 7
今週は安土桃山〜江戸時代前期の日本美術史です。 たった50年の濃密な時代/戦国大名は箔を付けたかった/金碧障壁画は現代のキラカード?/意外と大きな国宝・狩野永徳の「唐獅子図屏風」/屏風絵は舞台装置/染谷さん叩き切られる/狩野永徳の祖父、狩野元信/「檜図屏風」とマネの「笛を吹く少年」に共通する平面感/西洋美術の特異性 永徳のライバル長谷川等伯/楓図と松林図屏風/何も描いていない空間が霞や霧に見える/松林図屏風は試作品だった?/松の木の幽霊/何も描かれていないけれど空気の密度がすごい/絢爛のカウンターカルチャー、侘び茶の文化/フェルメールの同級生 琳派の祖、本阿弥光悦と俵屋宗達/リンパ腺ではない/尾形光琳と尾形乾山/光悦はアートディレクター/宗達は謎の絵師/光琳と宗達の合作カリグラフィー/宗達が手がけた「風神雷神図屏風」と「白象図杉戸絵」/尾形光琳の「紅白梅図屏風」と「燕子花図屏風」/現代人も、名乗れば「琳派」になれる? 江戸の日本美術史に大きな影響を与えた狩野派/描く技術をマニュアル化して広めた狩野探幽/円山応挙や伊藤若冲も狩野派に学んだ/二条城の障壁画を手がけた狩野一派/浮世絵も登場、...
Nov 09, 2023•57 min•Season 20Ep. 6
今週は鎌倉・室町時代の日本美術史です。 この時代は日本で初めての武家政権が誕生して、政治をとりおこなった時代です。新興階級の武士と新興宗派の禅宗が結びつき、山水画や喫茶など新たな文化が生まれた時代でした。今回はこの時代に活躍した仏師集団の慶派や、画聖と呼ばれた雪舟などを紹介します。 初めての武家政権が誕生/「鎌倉殿の13人」の時代/一門総出で仏を彫るぞ!奈良仏師の慶派/グラップラー刃牙を思い出させる東大寺の金剛力士立像/ディフォルメが効いてるのにバランスが良い/生き写しのような興福寺の無著・世親菩薩立像/思慮深さ、慈しみ、様々な感情を読み取れる複雑な表情/写実的なわかりやすさが武士にウケた/伝源頼朝像をはじめ、肖像画もよく描かれるようになった 禅宗と武士が結びつき、新たな文化が誕生/水墨画は禅の修業だった/新興勢力同士は相性が良かった/ちょっと茶しばいてく?喫茶文化も始まる/ひょうたんでナマズを捕まえたい、その答えはいかに?/31人の禅僧が問答に答えた如拙の「瓢鮎図」/ちょっと間抜けな髭男/室町幕府が行った貿易で、明の書画が日本に入ってきた 画聖の雪舟が登場/遅咲きの画僧、大名に召し抱...
Nov 04, 2023•1 hr 4 min•Season 20Ep. 5
この度、染谷さんのプロダクトブランド「sugata」と、文房具やオフィス家具を手がけるメーカー「コクヨ」が、社員証用IDカードホルダーを共同開発しました。 販売されるのは、名刺や社員証などのカードと小銭が入るポケットが2つ付いた「CONVENIENCE ID CASE (CARD)」と 、3つのキー金具と1つのカードポケットがついた「CONVENIENCE ID CASE (KEY)」の2種類です。 このプロダクトとプロジェクトについて、コンセプトや制作過程、工夫した箇所などを染谷さんにインタビューしました。 ■CONVINIENCE ID CASEの公式サイトはこちら ⇨ https://think-of-things.com/studies/sugata-convinience-id-case/ ※製品はオンラインショップのほか、東京都渋谷区千駄ヶ谷3-62-1 1FのTHINK OF THINGSショップでも購入できます。...
Oct 30, 2023•29 min•Season 21Ep. 1
平安編で触れたやまと絵や絵巻物が展示されている「やまと絵 受け継がれる王朝の美」に行って来たので感想を。四大絵巻や百鬼夜行絵巻など見応えがある内容で、会場を3周してしまいました。
Oct 19, 2023•17 min•Season 20Ep. 4
今週も日本美術史の続きです。今回の舞台は平安時代。この時代は飛鳥・奈良時代に大陸から学んだ様式をベースにしながら、日本独自の文化が開花していった時代でした。 貴族が文化を牽引して、女流文学や絵巻物、やまと絵などが登場。日本美術も一気に華やかになっていきます。 平安時代は約400年/前半はまだまだ大陸の影響が強い/秘密の仏教「密教」が上陸/弘法も筆の誤り/密教はZIPファイル?/曼荼羅(マンダラ)は宇宙の法則を描いた絵/マンダラを等身大のジオラマで再現した、東寺の「立体曼荼羅」 平安後期は貴族の時代/権力が集中したから、美術や工芸が発達した?/唐絵から「やまと絵」へ/やまと絵はポップアート/源氏物語絵巻や信貴山縁起絵巻/基本は手元で見るもの/鳥獣戯画はけものフレンズのご先祖さま 仏師の祖「定朝」が登場/僧網位(そうごうい)を得て、物資の地位を高めた/ナンマンダブと阿弥陀如来/死が身近にあった時代/死んだら野ざらし、九相図にリアリティがあった/死はブラックボックス/みんな「超救われたい!」と思っていたから阿弥陀信仰が流行った/貴族の間で生前に徳を積むために寺建築ブームが起こる 信貴山縁起絵...
Oct 16, 2023•50 min•Season 20Ep. 3