漫画家がメンタルやモチベを安定させるうえで大切なのは、「自分を上手に褒める」こと。具体的には、自分で自分の何を褒めるかです。嬉しいとは思えないポイントをいくら褒めても、あまり効果はありません。 特にスキルやテクニックの部分では、上手な人は世の中にたくさんいます。そのため、いくらそこを褒めても、あまり本気では受け止めにくい場合・モチベが続かない場合も多いでしょう。 だからこそ、自分を褒めるときは、自身の「これが描きたい!」という原点の部分を褒めるようにしてみましょう。何かを創ろうとする姿勢だけでも十分偉いですし、それを作品として世に出すのは尚更なわけですから。 原点への評価は、誰であっても嬉しく、モチベーションにつながるもの。自分に対しても他人に対しても、いつまでも「これが描きたい!」の気持ちの尊重を忘れることなく、創作活動に取り組んでいきましょう!
Jul 09, 2025•13 min•Season 2Ep. 241
SNSやアプリなどで、他者からの評価が簡単に得られる時代になりました。その影響か、初心者のうちから失敗を恐れ「誰からも変だと思われない作品」を出したがる傾向が強くなっています。 マンガ専科で課題を出しても、すぐに出題意図を問われますが、意図に沿った作品を作ろうとしすぎるあまり、小さく綺麗にまとめることだけに意識が向かってしまうことも。それでは何も身に付かなくなってしまいます。 島本和彦先生も作品内で「プロに必要なのは、駄作を作る勇気」と描かれていますが、この時代は初心者も同じこと。 まだまだ荒削りなレベルで作品を誰かに見せるのは勇気が必要ですが、失敗を恐れず出すマインドセットこそ、漫画業界で成果を出すためには必要なのです。 ありがちな「いい話」や「あるあるネタ」を描き、ちょっとしたいいねを狙いにいくという無難なトライばかりに終始することなく、もっと失敗を前提とした挑戦を繰り返していきましょう!
Jul 07, 2025•19 min•Season 2Ep. 240
漫画における「面白さ」とは何か。一見すごく深い問い掛けのように思えますが、答えはシンプルに「意外性と必然性の組み合わせ」になるのではないでしょうか。 意外性とは、もちろん予想外の出来事やオチのこと。必然性とは、納得感や「それ、わかるー!」という感覚のこと。自分で描いていて、どうも面白くないなと思ったら、この2つのバランスをぜひチェックしてみましょう。 SNS漫画も「発見」か「あるある」、この両方が組み合わさっているとなおバズりやすいという法則性がありますが、これも意外性と必然性が生む結果です。 物語のクライマックスも、予想を少し越えて欲しいという期待を持ちつつも、あまりに予想を越えすぎる展開だと「意外」とすら思えなくなってしまいます。想像できる範囲、という必然性がないと、面白さ以前に理解もできなくなってしまうのです。 作品に物足りなさを感じたときは、意外性と必然性が足りない、あるいは、2つのうちのどちらか片方しかない、という可能性を疑ってみましょう。きっと面白い漫画の完成へと近づけるはずです!...
Jun 27, 2025•20 min•Season 2Ep. 239
描き文字でお悩みの方に朗報! 描き文字が一瞬で身に付くコツが、実は2つもあるんです。 1つは、コマの中に一番最初に描き文字を入れること。そしてもう1つが、カタカナを使うことです。 まず描き文字が難しいと思う場合は、キャラや吹き出しを先に描いていて、「この隙間に、どうやって文字を描いたらいいんだ…?」と悩んでしまっている人が案外多いはず。 描き文字はサイズとしては結構大きいだけに、コマの構図全体を決める際に最初に配置してしまいましょう。これだけで、かなり描きやすさが違うはずです。 そして次に、描き文字にはカタカナを使うようにしてみましょう。カタカナは斜めの文字、特に右上から左下へと斜めにいく文字が多いため、勢いがつきやすくなります。この斜めの方向を上手く活かしてみましょう。 もちろん、文字の方向には縦・横・斜めがあり、この3方向を組み合わせて良い感じにしていく必要があるのですが、方向を意識することが上手な描き文字への第一歩となるはず。 というわけで今回は、描き文字について、マンガスクリプトDr.ごとうがアシスタント時代の経験を踏まえつつ、持論を展開していきます。...
Jun 25, 2025•16 min•Season 2Ep. 238
コマ割りで、1コマ1コマに対して全員が当たり前のように入れていると思っていたら、意外に入っていなかったもの。それが「演出意図」。 特にプロットを文章で書くタイプの人ほど見落としがちです。 物語の流れをコマに落とし込み、絵として表現しただけでは、プロットのままでしかありません。 漫画家として1コマごとに読者の心をときめかせるため、どんな意図や工夫をしているか。それこそがコマ割りです。 どのコマをみても「あ、いい絵だな」と読者に思ってもらえるよう、常に意識をしていきましょう。 足し算もあれば引き算もあり、表情・仕草・背景など魅せ方はさまざまですが、プロの作品には「なんとなく」で描かれたコマは1コマもありません! 逆にいえば、そこを頑張るだけで作品全体がだいぶ違った印象になるはず。 今回はそんなコマ割りについて、しっかりと語ってみた回になっています。...
Jun 23, 2025•26 min•Season 2Ep. 237
皆さんは「物語をどこから始めるか」について、普段どこまで意識していますか。漫画は時系列通りにストーリーを並べる必要はないからこそ、どこから始めると一番作品として効果的なのか、ぜひ考えてみましょう。 丁寧に描こうとする人・好きな漫画に倣って描こうとする人ほど、楽しい場面を中盤・後半に持ってきてしまう傾向が強いですが、漫画は楽しい場面やクライマックスから始まっても別にいいんです。 描いている本人には少し違和感のある組み立てでも、読者にとっては「最初からそこがスタートの漫画」なので、全く問題なく読み進められます。 特に、順序立てて組み立てすぎることで、楽しい場面に至るまでのプロセスを描く作業自体に「飽き」を感じているような人がいたら、ぜひ今回のお話を意識してみてください!
Jun 20, 2025•15 min•Season 2Ep. 236
よく「自分は、叱られるより褒められるほうが伸びるタイプ」という人がいますが、ほとんどの人がそうではないでしょうか。 褒められたことで、それを続けるようになった結果、上達していくからです。 漫画を描く人たちも同じで、伸びているのは、楽しい・嬉しいからではなく、シンプルに描き続けているからこそ。 だからダメ出しをされても、「自分なんかダメだ」と自己否定して描かなくなるのではなく、描き続けられる工夫ができるかどうかが大切です。 そういう意味では、モチベーションを「高める」より、いかに「維持する」かを意識し、「描かないという選択肢を、いかに持たせないようにするか」を考えてみるのをおすすめします。 というわけで今回は、描き続けるための意識の工夫について、お話ししていきます!
Jun 18, 2025•21 min•Season 2Ep. 235
漫画を描く皆さんにあらためてお伝えしたい、基本中の基本。それはずばり「ストーリーを描かない」こと。ストーリーを描きたいからこそ漫画を描いてる方も多いと思いますが、一番意識しなければならないポイントです。 なぜなら読者に応援されるのは、ストーリーではなくキャラクターだから。まずは読者に認知をされるキャラを造り、感情を描く。漫画を描くならこの順番です。 好きな作品の印象的なストーリーや展開は記憶に残りやすいですが、なぜそれが面白かったかと思い返せば、応援したいキャラがいて感情があるから、と気づくことができるでしょう。 というわけで今回は、多言語自動翻訳で多くの人に配信が届くようになったタイミングで、あらためて初心者向けの基本をお話させていただいた回となっています!
Jun 16, 2025•17 min•Season 2Ep. 234
企業出展や出張編集部などでは訪れたことのあったCOMITIA。6月1日にマンガスクリプトDr.ごとうは初めて個人で参加し、おかげさまで完売(120部)することができました! というわけで今回は、初参加のCOMITIAで得られた知見や感想など、出展2日後の記憶が鮮明・体力はゼロの状態で振り返ってみる回となっています。 読んでくれる方と直接出会うことで、作品を届ける意味を思い出すことができたり。漫画を描く人同士での横のつながり、偶発的な出会いを経験したり。そして、本で儲けを得ることの大変さを改めて実感したり。 どれも当たり前のことかもしれませんが、実際にやってみたからこそのリアルな感情や体験談を(かなりフラフラの状態のまま)お届けしていきます!
Jun 13, 2025•39 min•Season 2Ep. 233
どんなジャンルの漫画であれ、基本的には「自分とは違う人物」の感情を想像しながら描かないといけません。では、そういう想像力はどうすれば高められるのか? 人の気持ちを知りたい、と思うことが第一歩ではありますが、それだけで身に付くものでもありません。「知りたい」ではなく「知らないとマズい!」と追い込まれるぐらいの気持ちが必要となるはずです。 例えば、動物や小さな子どものような「話すことができない」相手。あるいは、めちゃくちゃ理不尽なことで激怒している人のような「話が通じない」相手。 こういう相手との危機的な状況下での会話は、相手の感情をとにかく想像しながら話さないといけないため、鍛えられる可能性があります。 とはいえ、そういった状況にわざわざ身を置かなくても想像力は身に付けたいですし、機会自体が無いという人もきっと多いはず……。 というわけで今回は、「相手のことを知らなきゃ!」と追い込まれた経験による効果を提唱しつつ、ぜひ感情理解のための良いトレーニング方法があれば教えて欲しい……!という回になっています。...
Jun 11, 2025•21 min•Season 2Ep. 232
価値観も多様化する現代において、何が悪なのかを明確に定義することも難しい中、いい「悪役」には何が必要なのか。答えはずばり「支配してくる」こと。支配すればするほど、いい悪役になるはずです。 悪役と正義役の違いは人とのつながり方にあり、正義が愛や友情でつながっているのに対し、悪は支配でつながっています。悪とは、他者を傷つけようとする姿勢のことであり、支配される側にあるのは、傷つけられることへの恐怖でしかありません。 どんな価値観を持っていても、どんな性格をしていても、他者を支配していれば悪役になります。悪役とライバル役の違いも、まさに「支配」があるかどうか。かつての悪役が仲間になって以降あまり悪を感じないのは、支配がないからです。 だからこそ、自分の漫画の悪役の魅力が薄いと感じるような時は、ぜひ支配度を高めてみることをおすすめしますよ!
Jun 09, 2025•18 min•Season 2Ep. 231
漫画で「恋」の感情を上手に描くにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは、恋をしているキャラは「感情をコントロールできなくなる状態になっている」にあることです。 恋をすると、人間はある意味で狂うというか、普段だったら絶対にしない言動や行動をとるようになります。 それゆえ、作者の自分が言わせたいセリフや行動をそのまま描くと「コントロールが効いた状態」になってしまっていて、恋を上手く表現できてない感じになってしまうことも。 だからこそ、自分がつくったキャラを自分でも制御不能な、欲求が先行している状態にできると、意外性やカタルシスなども盛り込まれた素晴らしい「恋」の表現ができるはずです。 もちろん非常に難しいことではありますが、「自分でも意識せず、ついこう描いていた」という場面が作品内であったかどうか、はチェックしてみるといいかもしれません。 なお、「友情」は「恋」と真逆で、完全に制御下で描かれることが魅力になります。友情は信用であり、それが高まりすぎても溢れ出すことはありません。むしろ、上手くコントロールすることで、お互いの力を引き出し合うような高まり方になります。 恋を描いてるつもりが友...
Jun 06, 2025•20 min•Season 2Ep. 230
どんな漫画でも一定の「出来事」の展開が必要になります。同じような出来事ばかりで展開が遅い、または展開していない状態が続いてしまうと、読者はすぐに飽きを感じてしまいます。 そして漫画でいう出来事とは「場面転換」のことであり、「場所」と「時間」がセットで変わっている必要があります。両方が変わらないと、似たような出来事にしか感じられないためです。 ただし、場所と時間を次々と切り替えていくだけでは、ダイジェスト感が強くなってしまうだけの結果に。 省略できる部分はある程度大胆に省略しつつも、「これ、どうなっちゃうの?」という感じをしっかり入れ込む。そんな「物語の進行速度」はどうすれば自在に操れるようになるのか。 今回は浦沢直樹先生の作品など参考に、展開の省略の仕方について考える回となっています! ▼今回ご紹介した浦沢直樹先生の『夢印』は、以下からご覧いただけます。(ラジオの中で言及しているのは、試し読みパートのみです)https://booklive.jp/product/index/title_id/20040535/vol_no/001...
Jun 04, 2025•33 min•Season 2Ep. 229
漫画のストーリー構成には、実は必勝法があります。しかも1ページ単位で「このページでは、これを描く」と指定できるほど汎用的で、編集部が求める必勝パターンが全部盛りとなっている内容です。 そんな夢のようなテンプレートを、マンガスクリプトDr.ごとうが開発したので、今回はその全てを紹介させていただきます! 騙されたと思って、今回紹介するテンプレートに沿って描いてみてください。これさえあれば、もうストーリーで悩むことはなくなるはずです……! 【全32Pの読み切りテンプレート】 <〇〇さんとの出会い編> 1P 目線キャラが悩みすぎて追い詰められている様子 2P それが人生の課題だったことを振り返る。なんとか対処しようと誓う 3P 〇〇さんが〇〇さんらしい主張をして登場する 4P 〇〇さんとの関係性が分かるリアクション、描きたい感情を描く <〇〇さんの提案編> 5P 改めて目線キャラが悩んでいることに読者を共感させる 6P 〇〇さんが「△△を一緒にやろう」と提案してくる 7P 目線キャラは自分のやり方で解決すると主張するが、強制的に始まっている 8P 提案内容の詳細に触れつつ、描きたい感情を描く ...
Jun 02, 2025•35 min•Season 2Ep. 228
エッセイ漫画は主人公=作者(自分)という構図になるからこそ、多くの描きてが思い悩むであろう問題。それが「主人公のビジュアルどうするのか」問題です。 漫画である以上、読む人が拒否感をもってしまうほど可愛くないデザインはマズいですし、かといって可愛すぎるデザインにすると「この作者、自分をこんな良いビジュアルだと思ってるの?」と思われてしまうかもしれないという悩ましさ……。 作品内容に拠るところもあり、共通の答えがあるわけではないのですが、1つ言えそうなのは「キャラグッズを目指すような方向性には仕上げない」ことでしょうか。 結局のところ、描いてる内容とキャラの見せ方にブレが無いことが大事なのであり、逆にそこさえブレなければ、どんなビジュアルでも初見で気になるようなことはないのかもしれません。 そしてもう1つ基準になりそうなのが、「第三者やモブと、主人公の描き方の違い」。そこに差がありすぎると、読み手は作者の「自分をよく見せようとしてる感」を敏感に感じ取ってしまい、反発する可能性が高まります。 大切なのは「その世界における基準はどこか、その基準と比べて主人公はどういう描かれ方をしているか」であ...
May 30, 2025•34 min•Season 2Ep. 227
人間は大きく2種類に分けられます。それは「ビジュアルで考える人」と「テキストで考える人」です。ビジュアルシンカーとバーバルシンカーとも言われる分類です。 例えば、「10秒間のうち、野菜をできるだけ多く思い浮かべてください」と言われて実際にやってみた場合、頭に浮かぶのは野菜の写真や絵なのか、野菜の名前の文字だけなのか。 空想力や創造力の豊かさとは一切関係なく、プロットから考えるか、シーンから考えるかの違いに近いと思われます。ただ、お互いがお互いを理解することは、恐らく不可能と思われるぐらいの溝があり…。 より具体的に考えていくと、「空間軸」と「時間軸」のいずれでストーリーを捉えているか、の違いになるのではないでしょうか。 それぞれで得意や不得意が顕著だからこそ、漫画を描くうえで知っておいたほうがいいかもしれないこの分類について、今回はじっくり考えていきます!
May 28, 2025•32 min•Season 2Ep. 226
あなたの漫画力を示すのは、あなたの持つ「形容詞」の数なのかもしれません。形容詞のパターンを持ってないと、つい「スゴい」や「ヤバい」だけで表現を済ませてしまいがちですが、実際は同じスゴいでも細かい分類があるはずです。 形容詞をより豊かにすること、なるべく詳しく言語化してみようという試みは、感情を知る行為と深く結びついています。自分の中の形容詞レパートリーがどれぐらいあるか、定期的にチェックしてみましょう。 そして形容詞の言語化にあたっては、慌ただしい状況の中ではなく、ゆっくりと「立ち止まった」状態でやってみることをおススメします。 今回は、そんな日常における形容詞について、じっくり分析・分類してみた回となっています!
May 26, 2025•31 min•Season 2Ep. 225
漫画を描く人は、自然と2種類に分かれてくるといっても過言ではないかもしれません。それは「ファンタジーしか描けない人」と「現代舞台の現実ものしか描けない人」です。 それぞれ何に魅力を感じ、どんなモチベーションで執筆に取り組んでいるのか。方向性としては真逆になりそうで、水と油に近い関係性の可能性すらあります。 そんな萌え型・排出型の違いにも似た創作タイプの違いがある両者について、結論のないまま考察を進めていくだけの回になっています。 特にためにはならないかもしれませんが、考察好きの方はぜひお楽しみください……!
May 23, 2025•26 min•Season 2Ep. 224
「好感度」と「魅力」の違いとは何でしょうか。両者に相関関係はあるのでしょうか。現実の人間と違い、漫画のキャラは創られた存在だからこそ、それらを同時に高められる軸を探ることが重要です。 1つの可能性として「自己開示」の有効性を考えてみましたが、 ・自己開示してなくて好感度は低いが、魅力は高い ・自己開示していて魅力もあるが、好感度は特に無い といったキャラも存在しているだけに、明確な区分というのは難しいのかもしれません。 一方で「主人公がやろうとしていることを応援できるかどうかで、好感度の高低は決まる」という点は、一定あるかもしれない……。 今回はそんな感じで、キャラの好感度や魅力を決定づけていく要素について、あれこれお話をしていく回になっています!
May 21, 2025•26 min•Season 2Ep. 223
漫画は「コマ割りこそが(ほぼ)全て」であり、作品を編集者に見せても思ったような反応を得られない場合は、「コマ割りに原因があるケースがほとんど」といっても過言ではありません……! コマ割りとは、それほどまでに大事な技術。もし「そもそもコマ割りが上手くできてるか、自分ではよくわからない…」とお悩みの方がいらっしゃれば、以下の手順をぜひお試しください。 1)自分の描いた作品を全て文章で書き出してみましょう。 2)その際「出来事」「受動的感情」「能動的感情」に分けてみてください。特に問題がなければ、出来事があり、受動的な喜怒哀楽があり、こうしたいという欲求や動機がある、という構成になっているはずです。 3)さらに「能動的感情」については、「いま何を欲しているのか」「なぜそれを欲しているのかの根拠」に分割してください。 4)以上を全て書き出すことができたら、どのコマが上記のうちのどれに対応しているか、付け合わせをしてみましょう。 5)何かが抜けているようなら描いたほうがいいですし、対応できていても必要情報の多い・少ないというのがチェックできるはずです。 という感じで今回は、いつものラジオ風ではな...
May 19, 2025•27 min•Season 2Ep. 222
2話目って一体なにを描くのが正解なのか…? 読切でもプロットでも第1話でもなく、実際に第2話を「しっかり描く」となった時、誰もが陥る意外な落とし穴です。 1話目は大事件・インパクトのある話を勢いよく描き、3話目からは「この物語(主人公)はこれをやっていく」を打ち出していく。この構造が鉄板だからこそ、2話目は難しい存在になります。 かといって3話目の内容を2話目に持ってくると、「それは早い!」と作者自身が感じる展開になってしまいます。主人公がリアクション姿勢のまま、出来事だけが連続する印象が強くなるせいです。そんな第2話に期待されるのは、第1話と第3話を「つなぐ」こと。 1話目で起きた出来事を、一旦丁寧に受け止める。そのうえで、3話目からの「主人公がやっていくこと」の準備をする。それこそが第2話の果たすべき役割なのです。 そんなわけで今回は、普段あまり意識されることのない「第2話の描き方」について、じっくりと考えていきます!
May 16, 2025•25 min•Season 2Ep. 221
絵がそんなに上手くなくても、「そういう絵柄の漫画家」として認知・許容されるには、何がポイントになるのか。それはずばり陰影。光と影のバランスがとれているかどうか、ではないでしょうか。 仕上げ自体はある程度丁寧でないと、絵がまだ未完成のまま掲載している雑な人と認識されてしまうため、「この絵はこれで完成してる」と思われるレベルにすることがまずは大切です。 一方で人体や背景などのバランスなどは、崩れていても意外に気にならないというか、「そういう絵柄」だと認識される可能性も高いはずです。 仕上げを丁寧にしつつ、陰影を意識する。それだけで、きっと「絵柄」の確立に大きく近づくのではないでしょうか!
May 14, 2025•20 min•Season 2Ep. 220
感情の「階段」について、どこまで意識して描き分けられていますか。例えば同じ「喜び」の感情であっても、10段階のレベル1とレベル7とでは全く異なる表現になるはずです。 漫画はとは読者に感情を体験させるエンタメである以上、その階段の設計こそが、作品の魅力を左右することになるでしょう。 そして感情とは、それぞれが明確に区分されるものではなく、混ざり合っていくもの。「喜怒哀楽」のようなわかりやすい感情だけでなく、「切なさ」「虚しさ」「侘しさ」といった説明しづらい感情も存在します。 それらの違いを認識し、融合させていくためには、日頃から感情の繊細な違いに敏感になり、解像度を高めていく必要があります。 今回は、そんな「感情を描ける漫画家」になるためのヒントや方法をお届ける回となっています!
May 12, 2025•35 min•Season 2Ep. 219
渋谷や新宿のような実在の地名をそのまま用いる作品がある一方、微妙にぼかした架空地名を用いる作品もあります。この違いは、物語に対してどういう影響や効果があるのでしょうか。そして、何を軸に判断すればいいのでしょうか。 意識してみると良さそうなのが、主人公と舞台の「関係性」です。 実在の地名になっていると、読み手側の「この現実の中に、この主人公が存在している」という意識が強まります。主人公の悩みやテーマが、現実世界とどれぐらいリンクしているかで、違和感を覚えるかリアリティを感じるかを分けるポイントになりそうです。 もちろん、超能力や魔法がメインの作品であえて実在地名を用いることで演出効果を狙うなど、特に正解があるわけではありません。 ただし、「これはSFだし、架空地名でいいや」と何となくで決定するのだけは避けましょう。テーマと描きたいリアリティに合わせて地名の使い方を考えてみることで、作品の精度や盛り上がりが一段アップするかもしれないからです。 というわけで今回は、「日本が舞台のローファンタジーのディティール、どうすればいいの問題」について、じっくり話し合ってみました。...
May 09, 2025•29 min•Season 2Ep. 218
漫画を描いていると「何でもハッピーエンドでいいのか? 薄っぺらいストーリーに思われないか?」と悩んでしまうことがあるかもしれません。でも、読者が求めているのは基本的にハッピーエンドです。 ただし、ハッピーかどうかを決めるのは、物語の「エンディング」ではなく「クライマックス」です。物語とは、主人公が欲しいと強く願ったものを求めることで進むものであり、その願いや欲求が叶って何かを最終的に手に入れた状態を指して、ハッピーエンドと呼ぶのです。 もちろん、その願いや欲求が、当初思い描いていたままの形で叶うようなハッピーエンドは少数です。実際は「何らかの代償があったり、少し形を変えたりして叶う」あるいは「主人公のほうで望みの形が変わり、それが叶う」というような部分的なハッピーエンドのほうが一般的です。 だからこそ、「望み」をちゃんと描けてさえいれば、主人公は自ずと何かを手に入れるはずであり、自然に全てハッピーエンドになるとも言えます。 エンディングとしてハッピーな雰囲気かどうかではなく、主人公が何を何を強く望んだか。重視すべきはやはりそこですよ、ということを改めてお伝えする回となっています。...
May 07, 2025•24 min•Season 2Ep. 217
キャラ、特に主人公の好感度を爆上げするため、プロの漫画家がよく用いる方法。それが、冒頭から4ページ以内に「クスッと笑えるズレ」を入れるというテクニックです。 造形や属性とは関係なく、「笑わせてくれるキャラ」に対し、読者は好意を感じやすくなるのです。 ギャグを入れる必要はありません。「主人公の言動・思考・感情など、どこかが周囲とズレている……」その様子を少し誇張し、印象に残る形で描いておくだけで、自然とユーモア表現になるのです。 冒頭数ページはどうしても説明要素が多くなってちまいがちですが、1、2コマだけでもユーモアを入れることを忘れないようにしましょう。 特に漫画賞への応募作などは、最初の数ページで面白く感じてもらえないと、中盤以降で盛り返せることはほぼ無いだけに、最初に主人公の好感度にブーストをかけることは非常に大切です。 ページが膨らむと真っ先に削られがちなユーモア要素ですが、ぜひ意識してみてください!...
May 05, 2025•23 min•Season 2Ep. 216
いわゆる「日常回」が好き、という人は多いのではないでしょうか。でもそれは、例えばバトル中心の物語の中で、日常回が「特別な幕間」として存在しているからこそ。 もしストーリーが日常回ばかりになれば、それはもう特別なものではなくなり、急激に魅力を失ってしまうことでしょう。 漫画家志望者の中には、「日常回的なテイストが多めの漫画があまり市場にないのは、その良さに気づいていない人が多いからではないか。だから自分がそこに取り組めば、勝てるのではないか」的な発想で、企画をつくる人が意外に多くいます。 しかし、そういうサイドストーリーをメインにしようという企画が市場に少ないのは「まだ誰にも気づかれていないから」ではなく、「多くの人が試みたが、やはり難しかったから」なのです。 もし本当の意味で「普通の日常」を描こうとした場合、普通の日常に対する並外れた解像度と演出力が必要になります。 さらに、ストーリーの軸になってくるのは「普通の日常の中の非日常」にならざるを得ません。そうなるともう、本当に描きたかった日常とは、全く違う日常を描くことになっているでしょう。 非日常を描くのが漫画だからこそ、日常を描くこと...
May 02, 2025•22 min•Season 2Ep. 215
セリフの量は、どれぐらいが適量なのか。多い・少ないはどう判断すべきなのか。一般的には少ないほど良しとされますが、『銀魂』のようにセリフ量の多さこそが魅力となっている作品も少なからず存在します。 しかし、雰囲気や量だけを安易に真似してしまうと、大失敗の要因に。 そんなセリフの要・不要を見分けるポイントになるのが、「読み飛ばされてもいいセリフ」なのか、「読み飛ばされると悔しいセリフ」なのか。 セリフの量は背景の描き込みと同じです。いくらでも書き足せるからこそ、多い・少ないではなく、「必要な情報を、必要なだけ伝えられているか」で判断しましょう。 とはいえ、密度・テンポ・位置などの違いだけで、同じテキストでも印象が大きく異なってくるのが、セリフの面白さであり難しさ。 テキスト自体がどれだけ魅力的でも、ほんの少しそれらがズレただけで、作品としては失敗になってしまうことも珍しくありません。 セリフを考えるときは、量の多い・少ないよりも、それだけ繊細な「演出」作業に取り組んでいるという意識のほうを、ぜひお忘れなく!...
Apr 30, 2025•21 min•Season 2Ep. 214
プロの漫画家なら誰もが当たり前に描いているのに、初心者ほど描くのを見落としてしまいがちな感情。それが「ワクワク」です。描き手自身がそれを描こうと意識できていない限り、読み手をワクワクさせることは絶対にできません。 しかし、SNSで「共感」を呼ぶ漫画ほどバズりやすいという影響もあってか、「ワクワク」を意識しないまま漫画を描く人が増えている印象です。 重要なのは、受動的なワクワクではなく、自ら能動的に「今日ワクワクしたこと」を探し、ストックしていく習慣づくりです。 今日あった自分がワクワクした瞬間を、あなたはいくつ挙げることができますか? 自らワクワクを見つけにいこうという意識がない限り、なかなか答えにくい質問だと思います。 まずは自らのワクワクに気づく、あるいは自らワクワクをつくる。その意識こそが、プロの漫画家に必要な感情のストックを増やしていくのではないでしょうか。日常の中で常にワクワクを意識し、自らワクワクな人生を過ごせるようになっていきましょう!...
Apr 28, 2025•25 min•Season 2Ep. 213
漫画を描く時、テーマやモチーフに対してどれぐらい調べてから描くべきなのか? 初心者ほど調べずに描いてしまう傾向はあるそうですが、調べすぎるほど本題からどんどん遠くなってしまい、時間だけがかかってしまう懸念も。 当然ながら明確な答えがあるわけではない問いですが、1つの判断ポイントにしたいのが「機能が理解できているかどうか」という点。ある程度それを掴めていれば描けるでしょうし、わからなければ描けないはずです。 取材の多くも、「これはどうなっているのか」と機能を知るために行われるものではないでしょうか。そして同時に、「感情」を理解することも重要です。 感情は目に見えるものではありませんが、感情が想像だけで描かれた作品ほど、「作者の空想」を読まされたような印象を受けるのではないでしょうか。 そんなわけで今回は、「原作者のポジションって、相当そのテーマやモチーフを調べ込んでないとダメなのでは……?」という不安から生じた疑問について、話し合っています!...
Apr 25, 2025•26 min•Season 2Ep. 212