「10分くらい聞かないとイイ話かわからない」と評判のこのidearium。本日はクソゲーならぬ愛すべき“クソ問い”、がテーマ。(お急ぎの方は1分53秒からお聞きください) この世の中には、段差を降りるだけで主人公が死ぬようなクソゲーがあるが、そのようなゲームがカルト的な人気を獲得してファンに愛される、という現象が起きることがある。 安斎が愛せないのは、アイスブレイクの「今日の朝ご飯はなんですか?」という問い。参加者として素直に答えても、その後「はい、時間です!では今日の本題はこちら!」と全く関係ない本題が進んでいくため、「朝ご飯の情報だけ取られた」という気分になる。 クソゲーにも愛すべきものと単にストレスを与えるだけのものがあるが、愛すべきクソゲーは、吹っ切れすぎているためにツッコミの衝動が湧く、という点にヒントがあるのではないか。 安斎が自覚的に“クソ問い”を投げた場面がある。ある地域の学校の先生からの「生徒の主体性を引き出したい」という依頼をいただいた際、「この依頼自体が主体的なのか?」と疑問を感じ、アイスブレイクで「あなたは主体的ですか?5時間で話し合ってみてください!」と問い、...
Nov 07, 2020•14 min•Season 1Ep. 102
「天才的な技能を持った個人が、すごいものをつくる」というのが旧来のデザインの世界では多く、それに対して近年は「チーム開発」に光が当たることが多くなってきていた。 事業会社のプロダクト開発の文脈ではプロダクトがサステナブルに育成されていくことが大事であり、それにはプロダクトマネージャーなどと連携が必要になるからである。 しかし、最近さらにアップデートが起きた。数ある課題のなかで特に価値が高いモノを見つけてチームを一気に前進させる、という関わり(=天才的な突破力)で、チームを動かすことができるようなCDOなどの立場を担うデザイナーの登場である。 この流れは実はある程度不変的なもので、サッカーの世界でも天才的なプレイヤーが重視された時代から、トータルサッカーの時代へ、そして今はチームを前提としながらも個人の突破力が大切にされている。 これに対して、「研究者のあり方にも重なる部分がある」と安斎。 安斎の師匠である山内祐平先生は、プレイヤーとしての腕力もすごいが、それだけではなく、マネージャーとして、チーム力や突破力で攻めていく先生でもある。 山内先生は「どういう研究テーマであるとこれからの社会...
Nov 01, 2020•11 min•Season 1Ep. 101
記念すべきideariumキャスト100本目では原点に立ち戻り、仮面ライダーをテーマにイノベーションの話をしたい。 昔は、戦隊物のほうが仮面ライダーよりも2倍くらいの売上を出していたが、今は大きく逆転している。その大逆転劇の背景には、「アイデンティティをどこに持たせたか」の違いがあった。 初期の仮面ライダーでは、“おやっさん”的な存在や悪い集団を登場させるという点にアイデンティティを持って、そのトンマナをずっと守っていた。しかし、平成ライダーでは、 “おやっさん”やあからさまな敵は存在せずライダー同士が戦っていたりなど、タイトルとコスチューム以外は時流に合わせて大胆にアップデートしている。 一方、スーパー戦隊は「合体して巨大化、そして敵をやっつける」という初期のアイデンティティを頑なに守っていた。セットで初めて個性が出る、という意味づけがされているので、おもちゃを買う時もコレクター性が薄い。 スーパー戦隊の制作陣も大幅な改革を試みてはいたが、売上は急落。テッパンとされている恐竜モノでも売上を落とす事態になった。 以前、 「技術主導の意味のイノベーション」について取り上げたCULTIBA...
Nov 01, 2020•16 min•Season 1Ep. 100
先週の「決断疲れ」の話に続き、今回は「どうすれば決断疲れしないのか」「どうすれば組織の意思決定能力を高められるのか」という話をしたい。 マネージャーの意思決定の悩みの1つに、メンバーから何か情報が得られたときに「これ本当だろうか?本当だとしたら動かないと…しかし多分違う気もする…(モヤモヤ)」という状況になることことが挙げられる。こうなると、「これどうしよう、Slackで聞こうか、とりあえず寝かそうか、それとも直接話してみようか…」と、意思決定コストが一気に跳ね上がる。 この問題を解決するのが「リファレンスチェック」。これは採用の文脈で使われる手法で、誰かを採用するときに、その人の前職の関係者などに当人について聞いてみることによって情報対称性をとる、というもの。 リファレンスの重要性は、採用に限った話ではない。普段の業務でも「レポートライン設計」を考えることによって、常にリファレンスを取れるような状況が作れる。 例えば評価の場面では、マネージャーとメンバーのレポートラインが1つだけしかないと、マネージャーが主観で考えてしまっている場合、不幸な評価しか出ないだけではなく、評価の妥当性を他...
Nov 01, 2020•13 min•Season 1Ep. 99
10月のCULTIBASE Labスタートアップゼミでは、特別ゲストとして株式会社ツクルバ代表取締役の中村さんをお呼びし、上場後、コーポレートアイデンティティ(CI)を刷新したプロセスについてお話しいただいた。 組織ではWHY=VISIONとして語られることがよくある。しかし、中村さんはWHYとVISIONを明確に違うものとして捉えていた。 WHYは「我々はどこから来たのか」というルーツ。そして、VISIONは「我々はどこを目指すのか」という未来への指針。 したがって、VISIONやそれに紐づくVALUEやCREDOには“賞味期限”があり、時期や状況によってどんどん刷新していくべきである、という。 ある研究結果にも「VISIONを固定化してしまうと、組織がうまくいかない」というものがある。何か結果がうまくいかないときに、それを生んでいる行動を変えるだけではなく、その前提や背景まで変えていくダブルループ学習という考え方である。 CULTIBASE Lab会員の皆様にはアーカイブ動画を公開予定なので、 ご興味のある方は是非ご入会を 。...
Nov 01, 2020•9 min•Season 1Ep. 98
ドラクエの回復魔法について語りたい。 単体全回復をする“ベホマ”は、みんな持っている。「1週間休んで海外旅行に行こう!」など。 しかし、今日は“ホイミ”について語りたい。少量しか回復しないが、目の前のターンはなんとか乗り越えることができるような回復呪文。 ミナベにとってのホイミは、家族との交流。昼は妻と話しながら、夜は子供と話しながらご飯を食べる。これがルーティーンであり、ミナベにとってのホイミ。 日中、家族が家にいない安斎のホイミは「12分寝る」。10分では寝た気がしないし、15分以上だと寝過ぎてしまう。 また、洗濯を回して干す、というのが意外と安斎にとってのホイミ。どれをどこにどう干すか、というところをちょっと意識しつつ、CULTIBASEキャストを聞いたりしている。強制的にパソコンの前から離れることができて良い。 別のことに集中することは、昨日配信した「決断疲れ」への対処法でもある。だらだらとするのではなく、黙々と料理をする/洗濯物を干すなど。そういう意味でも、“決断疲れ”な一日を乗り切るために、1人1つはホイミを持っておいた方がいいかもしれない。...
Oct 23, 2020•12 min•Season 1Ep. 97
スタートアップの成功のコツは、意思決定。 仕組みも何も全くない状態ゆえに、プロダクトを育てていくために「ユーザーどこ?」「収益どうする?」「組織の形は…」という膨大な意思決定が求められる。 そんなスタートアップの最大の魔物であるのが「決断疲れ」。 意思決定というものは、ドラクエで言うマジックポイント(MP)みたいなもの。「今日はめっちゃいい意思決定できたわ〜」という日などがあると思うが、あれはMPが豊富にある状態でメラゾーマ(高コスト呪文)をズガーン!と打てた、という状況。 一方で、MPが尽きている状態になると、slackのメッセージにYES/NOを返事することだけでも嫌になってしまう。 マネジメントなど上のレイヤーに行けば行くほど、意思決定に求められる質が上がるとともに量も多くなる。だからこそ、直近で求められる意思決定をシミュレーションしながら自分のアジェンダ決めたり予定を決めたりすると良い。 意思決定の最大MPは、経験することでしか増やせない。だからこそ、意思決定スケジュールのマネジメントが大切になる。 また、周囲としても、選択肢を出してあげたりプロトタイプを作ってあげたり優先順位...
Oct 23, 2020•16 min•Season 1Ep. 96
先日、NPO法人soarが開催した2日間のイベントsoar conference2020にて、「<組織>と関わり」をテーマにしたセッションで、株式会社ツクルバ代表取締役の中村さんと登壇した安斎。そこで「共在感覚」とideariumキャストの話になった。 共在感覚とは、集団とかコミュニティが「一緒にいる」と感じられる感覚のこと。それがどうやって生まれるのかという点に興味がある。 あるアフリカの民族では、朝、村長が広場に「腹が減った!」などと叫ぶだけで、それを聞いた村の人たちは「今日は村長にすでに会った」という認識になり、午後などに村長を見ても挨拶しないと言う。ここから、私たちと彼らの共在感覚が少し異なっていることがよくわかる。 今年3月に資本業務提携をし代々木に共同でビルを借りたミミ&グリであるが、コロナのせいで基本的にリモートワークになってしまっており、全員で一同に介したことが一度もない。 そんななか、このideariumは意外と社内メンバーがこっそり聞いてくれている。これは、アフリカの村長が村の中心でどうでもいいことを叫んでいることと同じではないだろうか? リモートでオフィスが共有で...
Oct 23, 2020•12 min•Season 1Ep. 95
のび太はポテンシャルを秘めているけど、それを殺すマネジメント・フィードバックをされているのではないか、という説を唱えるミナベ。 のび太がテストで100点をとった回がある。先生もドラえもんも「たまたま、ラッキーだったね!」というスタンスだったが、それは実は最悪のフィードバック。 知能に関するある研究は、「自分の知能は変わる」と信じている子供と信じていない子供では、前者の方が実際に変化し、そしてそれには親の価値観が非常に影響しているという結果を示した。 そういう観点から、良いフィードバックとは、現在という“点”にフォーカスしたものではなく、「以前と比べてこうしたら、こうなった」という“線”に基づいたものであるべき。そうしないと、個人の知能観を固定化し「変わろう」というモチベーションを削いでしまうことになる。 のび太の100点に対しても、「たまたま、ラッキーだったね!」ではなく「たまたま勉強したところが成果につながったね!」という言葉に置き換えるだけで、ポテンシャルが生かされる可能性があったのではないか。...
Oct 23, 2020•15 min•Season 1Ep. 94
最近、評価制度の仕事が殺到している。 そのような仕事で、最初に作り始めるのが「能力定義」。オペレーションを考えると昇給制度などを考えてしまうが、それは枝葉の話である。 評価制度とは、組織・個人・チームをつなぐ、ハブポイントになる重要なシステム。 よくあるバッドパターンとして、「評価されるのはこういう人ですよ」という内容を上からの目線だけで作ると、ただの「管理しやすい人」の一覧表になってしまうものや、現場に寄り添って考えようとしすぎたあまり、結果的にマネージャーが評価されないことになってしまうものが。 このような複数の視点を考えるのが、能力定義のキモ。 また、理念を反映させなければいけない一方で、コンセプチュアルな能力定義になってしまうと、タフな人材が生まれてこないというジレンマもある。 この課題には、理念と能力定義のあいだを埋める存在が必要。理念を実現するには、どういう人たちが必要で、そのような人たちがどのような力関係・協力関係で仕事をすればいいのか、という具体的なイメージを持つ。...
Oct 18, 2020•17 min•Season 1Ep. 93
東大の先生をやりつつ、CULTIBASEのプロダクトオーナーをもやっている安斎。 定性と定量のバランス。UXとマーケティングのバランス、価値創出と課題解決の壁など。プロダクトオーナーは、その折り合いをどうつけるのかというジレンマを抱える。 多くのプロダクトの場合は、定量のKPIをしっかり作ることで、市場やペルソナが見えてくる。しかし、その手法では「とにかくスカウトメールを毎日送ろう!」などタッチポイントが非常に多くなりがちでユーザーの「スカウトメールうざいな…」と思っている気持ちは置き去りにされてしまう。 とは言っても、ユーザーの価値を考えすぎると、事業の収益性が担保できず、のびずに終わる、ということになる。 「価値自体が刷新されてしまえば、そのペインは吹っ飛んでしまうんだよな」という事例もある。先程の事例でも、そもそもスカウトメールではない手法を使用してもいいはずである。 現在、CULTIBASEはありがたいことに順調に伸びているので「本当に届けるべきサービスはなんだろうか?」という議論ができている。 定性的な仮説も、それぞれのメンバーの言語化力とそれをぶつけ合う環境があると、定量並...
Oct 18, 2020•14 min•Season 1Ep. 92
「バナナの皮で人は滑るのか」「眉毛からナルシストを判別する方法とは」「殺し屋の多重下請け構造について」など。 心理学、認知科学の「どうして人間はこういう行動をしてしまうのだろう」というテーマを掲げた研究では、大真面目にしょうもないことを語っていたりする。 たとえば、とても盛り上がったグループワークのあと、チームメンバーに個別に「自分の、チームへの貢献度は?」と質問すると絶対に100%を超える、という研究。 「メニューが多いクラフトビール店では、何を選んでもグループ内で最後に注文した人の満足度が少し落ちる」という研究も。 認知科学会の論文賞「なぜ人は道に迷うのか」という研究では方向音痴を徹底的に定義した上で、方向音痴な人が道に迷うプロセスを認知科学的に議論している。
Oct 18, 2020•12 min•Season 1Ep. 91
ミナベの問い「校長先生の朝礼は、ファシリテーションに一番失敗している例ではないか?」 そもそもファシリテーターは意味づけを説明することが大事で、場の目的をホールドしていなければいないが、小学校の頃教えられる「前にならえ」などの動作にはWHYは説明されていない。 教壇立つとファシリテーションがしづらい。子供の手元が俯瞰できることで、上下関係が非常に明確になってしまう。校長先生が朝礼で乗るような台は、その最たるもの。 「結局何が言いたいのか」が見えないまま、暗中模索状態で話を聞いている感覚になる。プロセスの全体像を見せる時間が設けられていない。 ワークショップでも、ヘタなファシリテーターが作る場では、参加者が「このワークは何につながるのだろう?」と思ってしまい、思考が断絶することになってしまう。 校長先生の朝礼であれば、「まずは3分聞いて。そのあとはみんなで考えてみよう」という声かけなどができたら。 今回は、校長先生の朝礼のステレオタイプをヒントにしたが、このような状況の縮図は意外とよくあるはず。...
Oct 18, 2020•12 min•Season 1Ep. 90
適応課題とは、単純にノウハウや情報から生まれる問題ではなく、複雑な関係性などから生まれる課題。 他人に言われればわかるが、自分1人で「今、適応課題に陥っている」とメタ認知をするのはとても難しい。どうすればそれが可能になるだろう? 前提として、「世の中の課題には適応課題のほうが多く、かつ、それらは根深い」ということを知っていることが重要。知識としてまず適応課題のことを知っておかないと、選択肢にすら入らない。 また、やはり「適応課題に対処することができた」という成功体験が大事。第三者のファシリテーションのもとで、本当に「腹を割って話し合う」や「自分の考え方も変える」ということを体験すること。 特に今、教育現場ではアクティブラーニングが推進され多くの授業でグループワークが取り入れられているが、「適応課題を対話的に解決しようとする」ということは非常に難易度が高いので、下手にやろうとすると失敗体験になってしまうことには気をつけなければいけない。
Oct 11, 2020•12 min•Season 1Ep. 89
最近、キン肉マンの連載更新が週1の楽しみになっているミナベ。 現在のキン肉マンは、以前36巻で終わっていたものの続きで“リバイバル”として連載しており、現在の最新刊は72巻となっている。 リバイバル作品は、ウケるものとウケないものとが明確に分かれる。その違いは、ズバリ「ファンの期待値を大切にしたかどうか」である。 ウケない作品では、作者が奇をてらってしまい、前の作品で大人気だったキャラがぞんざいに扱われてしまう。「昔好きだったあのキャラのかっこいい姿を見たい」と「同じような作品では飽きる」というファンの2つの心理のバランスを見極めることが大事。 これは、組織における「心理的契約」の話と同じ。心理的契約とは、いわゆる明文化されている契約ではなく、暗黙のうちに関係性のなかで構築された期待値のこと。 期待値のサーベイを適当にするのではなく、ミクロに相手のことをよく理解すること。これは、組織におけるマネジメントにおいてもリバイバルの漫画作品においても、とても大事なことである。...
Oct 11, 2020•16 min•Season 1Ep. 88
先週、7日間でCULTIBAESの記事を14本執筆した安斎。 しかし、組織のイノベーションの知見などを扱っているメディアの性質上、ストレートに役立つ情報や理論を伝えることしかできず、疲れてきている。 これからは「つい読んじゃうし、つい真似したくなる」ような記事を増やしていきたい。 「愉快な気分になりますが、役に立つことはありません」を掲げる デイリーポータルZ は、大学時代からミナベが愛読しているウェブメディア。 CULTIBASEは「役に立ちません!」と言い切ってしまうと成り立たないが、仮にデイリーポータルZに寄せるとしたら、「〇〇でファシリテーションしてみた!」など実験系の企画が多く生まれそう。 CULTIBASEのネタは随時募集中です。リクエストお待ちしております。
Oct 11, 2020•12 min•Season 1Ep. 87
※本エピソードはネタバレ注意となります。 最近、再アニメ化され放映されている1990年代の少年ジャンプの漫画『ダイの大冒険』。 ストーリーは勇者の卵である「ダイ」を主軸に描かれているものの、ファンの間ではダイとともに修行に励む「ポップ」を推す声も多い。 ポップは、中ボスが相手の戦いですら一度逃げ出したくらい、最初はとても弱い。そんな彼が弱虫ながらに努力をして、少しずつ成長していく。そんな裏ストーリーのあるアニメだ。 ポップの成長の軌跡には“凡人の成長性”に関する気づきが詰まっている。 彼があれほど成長できたのは、彼自身のメンタリティだけではなく周囲の助けがあったからこそ。周りの人間が彼に期待し、彼の成長にフルコミットしてくれるからこそ、折れそうになったときに、立ち直ることができる。
Oct 11, 2020•12 min•Season 1Ep. 86
いわゆるCIデザインとは、「この会社の理念はこうです、行動指針はこうです、それを象徴するとこういうグラフィックになります」と、会社の定義をするようなもの。 一方で、ダイナミックアイデンティティデザインは、変化を前提とする。 ダイナミックアイデンティティデザインを説明する際に取り上げるのが「キティちゃん」。キティちゃんには強烈なアイデンティティがあるが、幅広い仕事を担っているがために、キティちゃんの人格性が勝手にいろいろなところでアップデートされている。しかし同時に、キティちゃんはキティちゃんであり続けてもいる。 そのような変化を前提としたシステムを、CI・アイデンティティの分野でも作ることで、組織が発展・変化によって表しやすくしよう、というのがダイナミックアイデンティティデザインの背景。 表層上の整備だけではなく、意味づけから辿っていかないと、アイデンティティというものは機能しない。氷山モデルの見えない部分や「組織」が大切であるという意識が少しずつ生まれてきているからこそ、これから日本でもダイナミックアイデンティティを考える必要性が高まってくるのではないか。...
Oct 04, 2020•16 min•Season 1Ep. 85
2回やってみたストレングスファインダーで、どちらも「個別化」が1位だったミナベ。 実際、個人の資質をどう活かしていくのか、という点にとても興味があり、それは仕事で組織を考える上でも活きている。 組織コンサルでは「組織のフレームを決め、そこで活躍する人間を定め、育成する」というのが一般的なやり方であるが、ミナベのWILLとしては、そういうセオリーを大切にしつつも、個人のポテンシャルや資質、WILL/CANを最大限活かすことも考えたいと思っている。 ミミ&グリも現在、約45人と組織サイズが大きくなってきた。プロジェクトもたくさんいただいており、「ベストなアサイン戦略」は、最近の悩みのタネである。 単純な問題ではないが、ここでも、マネージャーとメンバーの間での対話が大事になる。 マネージャーが1on1で、メンバー1人1人のスキル・キャリアの背後にある思考特性やモチベーション、才能を見抜いてアサインすると同時に、メンバー自身もコミュニケーションや立ち回りを工夫しながら、自分自身で自分のポテンシャルが活きるようPDCAを回していく必要がある。...
Oct 04, 2020•15 min•Season 1Ep. 84
最近、ミミ&グリで仕事を協業することが多くなってきて、ワークショップデザインの面白さに改めて気づいたミナベ。 「UIデザインとワークショップデザインには、実は通ずるところがある」 例えば、問いのデザインという観点では、「問い」というアプリケーションを通じて、それに接したユーザーがいろんな反応や広がりを示す。アプリケーションを通じて、ユーザーにどういう態度変容を起こすのか、という点ではUI・UXデザインと同じプロセス。 必要な学びが複雑になればなるほど、「内省を含めて思考・行動変容を促していくことが大切だ」と言われるようになってきたのと同じく、UI・UXデザインの文脈でも、作り手の「伝えたい」を伝えるだけではなく、長続きする関係を築くために「ユーザーが何を考えていて、どういう反応を促したら、その人の日常に溶け込めるのか」ということを考えることが大切だと言われるようになってきたという歴史がある。 「問いのデザイン」と「行動を変えるデザイン」が、一緒に読まれている理由がよくわかる。 (最後に宣伝ですが) 「行動を変えるデザイン」の翻訳チームと、安斎をはじめとするミミクリメンバーが対話をするイ...
Oct 04, 2020•11 min•Season 1Ep. 83
合意形成はみんなの悩みの種。アイデア発想や、クリエイティブの提案を受けて決めなければいけないときに、「どれにするか」という合意形成には難しいものがある。 民主的に合意形成しようとするときの落とし穴は、 CULTIBASEの記事 にも書いた通り。決済者の意見を伺うのも、健全に話し合うのも、投票してしまうのも、どれもうまくいかない印象がある。 安斎がよく使う手法に、「多様決」というものがある。これは反対票と賛成票を衝突させて、そのかけ算が高い選択肢が勝つ、というやり方で、例えば「いいね8票、モヤモヤ0票」は0点で、「いいね5票、モヤモヤ5票」は25点になる。 多数決には「アイデアの精度がそこまで良くないうちに合意形成されてしまいうる」というリスクがあるが、多様決では「モヤモヤ入れたのは、どうして?」という問いから、一緒にアイデアをブラッシュアップすることができるような議論になる。 ミナベの組織の意思決定のイメージは、“川の流れ”。川の一部分だけを堰き止めても流れをおさえることはできないように、組織の意思決定も流れを見極めて「いっせーのーせ」で要所を全部おさえなければいけない、という感覚があ...
Sep 27, 2020•15 min•Season 1Ep. 82
DONGURIの仕事として、先週、インターネットを賑わせていた株式会社PATRAの新しいプロダクト「 wonde 」。 コロナ禍において、私たちの日常の一部になった手指のアルコール消毒。しかし、現状ではアルコール臭く「消毒のための消毒をしている」感が否めない。このwondeはハンドウォッシュミストでありながら、香りを楽しめるフレグランスプロダクト。 推奨されているアルコール濃度を満たしたりなど、社会環境に合わせてアウトサイドインで機能を開発しつつも、インサイドアウトで「不安や“ゆらぎ”を肯定する」というお守り的な思いを込めたコアバリューを持っている。 今、アルコール消毒をしているユーザーに「困りごとは?」と尋ねても「香りがあったらなぁ」という答えは返ってこなかっただろうが、wondeはルーティンとして染み付いた日常の行動に新しい意味・経験をもたらしてくれるプロダクトとして大きな共感を呼んでいた。 マーケットドリブンがセオリーであるコスメ領域においても、そのなかでインサイドアウト的な提案をすることによって、あそこまでバズるという経験をして、改めて意味のイノベーションの可能性を感じた。 マ...
Sep 27, 2020•10 min•Season 1Ep. 81
今では実務経験が豊富なミナベ。20代での失敗経験は「自分が失敗している」というメタ認識がなかったこと。 当時は「自分が絶対的に正しい」が前提だったため、多少の問題があっても「成果が出ればいい」と押しつけ型のコンサルティングをしていたが、うまくいかないことが続いて「これだけ同じような経験をするということは自分に悪いところがあるのだろう」と反省。 ノウハウを押し付けるのではなく、対話的に相手の成功・成長にコミットする。「一緒に成功しましょう」というスタンスになってから、うまくいくようになった。 安斎の失敗談は、「ボトムダウンに見せかけて、トップダウンでワークショップをやってしまった」という事例。依頼者の視点を大事にするがゆえに、参加者の気持ちが見えなくなっていた。 伴走する際には「頼まれてやってるし」とか「一定成果出てるから」ではなく、その場にいる人たちにとっては自分の人生がかかっていたりする重いものを、リスペクトすることが大切である。
Sep 27, 2020•15 min•Season 1Ep. 80
CULTIBASEの記事でも話題 となった「心理的安全性」について、リスナーさんからお便りをいただいた(ありがとうございます!)。 誤解されがちだが、健全にぶつかり合いながらパフォーマンスを発揮していけるのが、本当の意味での「心理的安全性が高い」状態。 心理的安全性は0/1ではないので、ツールのように誰か1人が「導入します!」と導入できるものではなく、チームの1人1人が実践することが大切になる。 さらにそれは日々のコミュニケーションの中で醸成されるので、そのプロセスにおいて必然的に対話のスキルやマインドセット、投げかける問いのスキルアップが必要になってくる。 また、心理的安全性が0のチームでは、まずは「心理的安全性のパーセンテージ」を意識し、1on1などで心理的安全性の高い人を増やしていくイメージを持つようにする。 全社的な心理的安全性のリテラシー向上と同時に、やはり実務の中で「健全にぶつかり合えた」と感じられる成功体験を積むのは大切になる。...
Sep 27, 2020•18 min•Season 1Ep. 79
安斎の博士論文のテーマは「創発的なコラボレーション」。「三人寄れば文殊の知恵」は、実際にはむしろ効率が悪くなったりするなど、意外と難しい。 その博論を書き終わる前に書いたのが「協創の場のデザイン」という本なのだが、先日はじめての増刷報告が。 読み返してみると、買ったお菓子の内容からアウトプットの詳細までワークショップの実践例を細かく紹介していたり、豪華ゲストに登場していただいていたりと、意外といい本だと思っている。 安斎曰く「ビジネス書として書き直したら実は売れるのでは?」 ワークショップデザイン論も改訂しているところだが、それを終えたらワークショップの研究に終止符を打ち、もう少し広い意味でのファシリテーションのことは考えていきたいと思っている。 安斎の次回作に乞うご期待。
Sep 19, 2020•13 min•Season 1Ep. 78
CULTIBASEの記事 で、インサイド・アウトとアウトサイド・インの話をした。 インサイド・アウト は「私」を起点として、そしてアウトサイド・インは、ユーザや世の中の課題を起点にして発想をするという考え方。 DONGURIでは、PM文化があるので「いかに不確実性をなくすか」という点を大事にしているところがあり、リスクを極限まで減らしたあと一気に発散する、という「アウトサイド・イン→インサイド・アウト」の流れで仕事をすることが多かった。 一方で、ミミクリデザインには、周りのインサイド・アウトの土壌を耕しグワっと衝動をかき立てるタイミングを生むような、インサイド・アウトのカルチャーの強さがある。 ミミ&グリのプロジェクトでは、目的で収束しかかっていたのを、個人の衝動を掻き立て、やっと収束させたと思うと、また新たな衝動が掻き立てられ…ということが繰り返されている。 断続的に続いていくインサイド・アウトとアウトサイド・インの「うねり」は、プロジェクトにおいて組織を駆動しながら凄まじい力を発揮する。...
Sep 19, 2020•14 min•Season 1Ep. 77
WDA(CUTIBASE lab)会員限定イベントである組織マネジメントゼミに、日本における「エンゲージメントサーベイ」の第一人者的ポジションを占めるサービスwevoxの開発に携わっているゲストをお呼びした。 いわゆる「組織サーベイ」には、客観的に組織をスコア化して社員をやる気で振り分け、そして、やる気がない人を1on1で呼び出すというイベント、というイメージがある。 しかし、「エンゲージメント」とは、個人の中にあるものというより、人と人、人と会社の関係性のなかにあるものであり、モチベーションや従業員満足度とは別物だ、とお二人は語る。 組織の問題をエンゲージメントの観点から捉えることで、解決策が変わる。 モチベーションや従業員満足度の観点では「どちらかが悪い」となり得るが、エンゲージメントの観点で考えると、対話によって関係性を変えていく・意味づけを変えていくという解決策を取ることができるように。 WDA会員の皆様には動画を公開予定なので、 ご興味のある方は是非ご入会を 。...
Sep 19, 2020•13 min•Season 1Ep. 76
最近、オフラインの仕事が多く移動が増えた安斎。 家にずっといる体だったのに、移動するようになったら「あれ、消耗が激しいぞ」となる。 ミナベのおすすめは、ルールガイドラインを作ること。 例えば、「打ち合わせはオンライン、集中したいときはオフライン」など。 他にも、定例ミーティングを特定の曜日に集中させるようにし、日々をルーティン化したりと、予定もセルフマネジメントしよう。
Sep 19, 2020•11 min•Season 1Ep. 75
10年間、1日1冊の読書を続けたミナベ。 ミナベ曰く「最初は根性」。しかし、読み続けたらわかってきた3つのコツがある。 ①似ているポイントを見つけ、「つまりこういうことを言いたいのだ」という主張を把握すること。 ②理解しにくい本を読むときは、自分なりに「こう言いたいのかな?」とメモをとること。 ③10冊以上の積読を用意しておき、衝動が乗らなくなったらその本を読むのをやめて、そのうち1冊を勢いで読むこと。 しかし、「学術書を読む場合にはそれは難しいことがある」と安斎。 その研究者がどんな景色を見ながら、どんな問題意識でこうして巨人の肩の上に乗ることにしたのか。他に書き方はあるだろうに、どうしてこの書き方をしたのだろう?と、味わいながら読んでいった先にあるものもある。
Sep 13, 2020•15 min•Season 1Ep. 74
研修は便利。予算は組みやすいし、問題の処方箋としてすぐに「研修やっとくか」と言える。 しかし、「インストラクショナルデザイン(ID)」と「ワークショップデザイン」の2つの手法があることを理解しておかないと研修設計はうまくいかない。 IDは、ビジネスマナー研修のように到達点が決まっていて階段を1つずつ登らせる手法。 一方で、ワークショップデザインは梯子をかけてあげるようにちょっといつもと違う視点から日常を問い直す手法。 両者のブレンドが一番難しい。今、自分らしさは発揮させつつも、業務のイロハはちゃんと教えられるような設計が求められている。 …という記事を安斎が書いたので、ぜひ読んでみてください。(→記事は こちら )
Sep 13, 2020•16 min•Season 1Ep. 73